アステリア、新たな企業向け入出金管理サービス『JPYCゲートウェイ』を発表
2026年1月13日から、アステリア株式会社が企業向けの入出金管理サービス『JPYCゲートウェイ』のβ版を提供開始します。このサービスは、日本円建ステーブルコインJPYCを企業が効果的に活用するための新しいツールとして期待されています。
JPYCの普及とその課題
JPYC株式会社が発行する日本円建ステーブルコインは、国内資金移動業者として初めて登場しました。2030年には30兆円の発行規模に達するとされており、急成長が望まれています。しかし、企業がJPYCを利用するには、ウォレットの秘密鍵の管理や暗号資産のガス代、会計監査の方法など、さまざまな課題が存在しています。
JPYCゲートウェイの特徴
『JPYCゲートウェイ』はこれらの課題に選択肢を提供し、企業の実情に合った方法での管理を可能にします。JPYCゲートウェイを使えば、ユーザーは独自のWebインターフェースを通じて、従来のオンラインバンキングと同じ感覚で送金や残高確認を行えます。
さらに、アステリアのデータ連携技術『ASTERIA Warp』を活用することで、企業内の様々なシステムとの接続が可能になります。これにより、業務フローの効率化が実現され、ユーザーは自社の事情に応じた管理方法を選ぶことができます。
基本機能と管理機能
『JPYCゲートウェイ』の基本機能には、送金指示、残高照会、履歴表示(時系列、取引先毎など)が含まれています。さらに、管理機能としては、監査支援のための履歴確認、監査用ログの取得、取引先登録、アラート登録などがあります。これらの機能により監査やトラブル時の対処もスムーズに行えるようになります。
システムとの連携
『JPYCゲートウェイ』は100以上の既存システムやクラウドサービスと連携することが可能です。これにより、企業の業務内容に応じた柔軟な運用が実現します。また、将来的には他のステーブルコインにも対応を予定しています。
今後の展望
アステリアは、2017年からブロックチェーン推進協会の中心メンバーとして、ステーブルコインの普及に寄与してきました。JPYCの発行開始は、日本における非中央集権型金融の実現に近づく重要な一歩といえます。アステリアは引き続き、JPYCの普及を通じて、より自律・分散・協調型の社会の実現に向けて取り組んでいく方針です。
結び
アステリア株式会社の代表取締役社長、平野洋一郎氏は、『JPYCゲートウェイ』の発表を通じて、企業が日常的にJPYCを安全に利用できる環境を整えることへの期待を寄せています。JPYCを通じた新しい金融システムの確立は、企業のビジネスの未来に大きな影響を与えることでしょう。