赤ちゃんの頭のゆがみをスマートフォンでチェック
最近、日本において赤ちゃんの頭のゆがみに悩む保護者が増加しています。特に斜頭症と呼ばれる頭蓋変形は、成長過程にある乳児にとって深刻な問題です。しかし、現在のところ、専門医の受診が必要かどうかを判断するための客観的な基準が不足しています。これに対処すべく、株式会社ジャパン・メディカル・カンパニーと日本大学理工学部は共同で新しいスクリーニング指標の確立に向けた研究を始めました。
AIによる新たなスクリーニング技術の開発
この研究では、スマートフォンで撮影した乳児の正面写真を基に、AIが「眼瞼裂幅」を自動で推測します。これにより、乳児の頭のゆがみに伴う顔面の左右差を数値化し、専門医への受診の必要性を判定します。これが実現すれば、地域医療や乳児健診において、誰もが客観的な指標に基づいて「適正な頭蓋健診」を受けられる社会が築かれることでしょう。
スマホで簡単に採取できるデータ
従来、頭のゆがみの評価には専門の3Dスキャナーが必要とされ、そのため地域医療には格差が存在しました。しかし、今回のアプローチでは、スマートフォンを一台使用するだけで、非侵襲的かつ低コストでの診断支援が可能となります。これにより、遠方に住んでいる乳児の親や、専門医が少ない地域に住む家族の負担が軽減されることが期待されています。
共同研究の背景と意義
現在、赤ちゃんの頭のゆがみが家庭内での不安要因の一つに挙げられていますが、保護者側には「様子を見ても良いのか」「専門医を受診すべきか」といった判断材料がほとんどありません。専門の医療機関においては、顔に現れるゆがみが眼瞼裂幅の左右差として観察されることが知られていますが、その定量的な評価方法が確立されていなかったのです。
この共同研究では、ジャパン・メディカル・カンパニーがこれまで培ってきた20,000症例を超える診療現場でのデータと、日本大学理工学部の画像解析及びAI技術を融合することで、乳児特化型AIモデルの開発を行います。具体的には、顔立ちや表情変化に対応したランドマーク検出モデルを構築し、眼瞼裂幅の定量化を目指します。
社会的インパクト
本研究が完成すれば、乳児健診や小児科外来での診察における安心感を提供します。実際に数値が示されることで、保護者の不安を解消し、納得のいく説明が可能となるでしょう。また、早期に専門的な評価が必要な症例を速やかに見分けることが容易になり、スムーズな専門外来への導線が構築されます。これにより、質の高い医療へのアクセスが全国的に均てん化されることが期待されます。
研究に寄せられた期待
日本大学理工学部の細野裕行教授は、本研究に参加することができることに喜びを表明しています。「赤ちゃんの顔の写真から得られる小さなサインを手がかりに、頭の形のゆがみに早く気づくことができる方法を探ることが目標です」と述べています。また、斜頭症に関する評価は専門医の視診に依存しており、非侵襲的で簡便なスクリーニング手法の確立が重要だと関弘翔助教は警鐘を鳴らしています。
最後に
この共同研究は、専門的な医療技術を地域医療に活かす新たな道を切り開く可能性を秘めています。そして、乳児の健やかな成長を支えるために、より良い環境を提供するための第一歩となりうるでしょう。今後の進展が非常に楽しみです。