デサントアパレル水沢工場の新工場が持つ未来への挑戦
デサントアパレル株式会社の水沢工場は、2025年7月1日に新しい建屋での生産を開始します。この最新の工場は、代表的な商品「水沢ダウン」を生産する基幹施設です。10月29日にはメディア向けなお披露目会が開催され、約30億円を投じて建替えた工場の特徴が披露されました。
本工場では、環境への配慮や地域との共生を重視しながらも、従業員が快適に働けるような工夫が随所に施されています。これにより、高い付加価値を持つ商品開発がさらに進むことが期待されています。
新工場のこだわりと特徴
エントランスホール
新しい工場のエントランスには、水沢ダウンを構成する163の裁断パーツが展示されています。これは、デサントならではの繊細なモノづくりを象徴すると同時に、来場者に高い品質の製品作りを直感させるものです。
縫製エリア
工場内の縫製エリアは、広々としており、明るい光が差し込む心地よい空間が広がります。作業の効率を上げるために、ラインごとに十分なスペースが確保され、作業導線にも厳しい配慮がされています。特に女性スタッフが多くを占めるため、作業環境は彼女たちに配慮された設計になっています。
冷暖房システム
風の出ない輻射熱冷暖房が導入されており、温度が均一で快適な作業環境を提供します。このシステムは、工場の作業が行われるラインの壁面に組み込まれており、機械の性能を保ちながら従業員の快適性も重要視しています。
食堂・休憩室
従業員がしっかりと休憩できる食堂や休憩室も設置されています。グループでの歓談や一人の静かな時間を有効活用できる多様なスペースが用意されており、職場環境への配慮が感じられます。また、女性用トイレの数も増やされ、ロッカールームも広々としています。
地元との調和と環境への配慮
新工場では、地元産の木材を用いた外壁が採用されており、地域の景観とも調和しています。三角屋根が連続する外観は、この地域独特の美しい風景と見事に融合し、内部の高窓から自然光がもたらされています。これにより、地域の素晴らしい自然環境を感じることができる工場として生まれ変わりました。
水沢ダウンの誕生とその意義
水沢工場は、2008年に誕生した「水沢ダウン」を生み出しました。この製品は、日本選手団の防寒ウェアとして開発され、独自の構造と手作業による高い品質が求められます。水沢ダウンは、縫製の工程が280ものステップにわたり、全てが精巧な手作業で行われます。これにより、見た目も美しく、機能性にも優れる製品が完成するのです。
修理への取り組み
水沢工場は、製品が長く愛用されるための修理サービスにも力を入れています。購入後5年以上たった製品も多数受け付けており、顧客からの信頼も厚いです。このように、「新しいものを生み出す」という考えや、製品を長く使っていただくという姿勢が水沢工場のモノづくりの根底にあります。
終わりに
水沢工場は、1970年からの操業を経て、半世紀以上もの間、高機能なスポーツウェアを生み出し続けてきました。新工場が開設されることで、これからさらに多様な高機能商品が開発されていくことが期待されます。地域とのさらなる結びつきを大切にしながら、展望を広げるデサントアパレル水沢工場に注目です。