MSCIがベンチャーキャピタル関連インデックスを発表
2025年4月28日、東京。MSCI Inc.(NYSE: MSCI)が、プライベート資産のパフォーマンスを測定するための新しいインデックスを発表しました。このインデックスは、「MSCIオール・カントリー ベンチャー・キャピタル出資先プライベート・カンパニー・インデックス」として知られ、投資家やウェルスマネージャーにとって重要な資産配分や分析の基準となります。MSCIは、これまで培ったインデックス作成の専門知識を活かし、セカンダリー市場の取引データに基づいて、VCが出資したプライベート企業の株式パフォーマンスを追跡します。
多くのプライベート企業は、高成長の技術志向の業界に属しており、最近では投資家の関心が急速に高まっています。これらの企業の取引は一般的な証券取引所では行われないため、OTC(店頭)市場が流動性の提供や価格発見のための重要な役割を果たしています。これにより、投資家はこれまで以上に効果的にプライベート市場にアクセスできるようになります。
近年、VCからの資金を受けている企業のことで、評価額が10億米ドルを超えるプライベート企業が急増しているというデータもあります。特に、1996年から2022年にかけて米国の上場企業数が約半減している一方で、VC出資先のプライベート企業はこの10年間で10倍に増加しました。これらの背景を受け、MSCIは新しいMSCIオール・カントリー ベンチャー・キャピタル出資先プライベート・カンパニー トップ20均等加重指数及びMSCIオール・カントリー ベンチャー・キャピタル出資先プライベート・カンパニー20均等加重ヴィンテージ指数を構築しました。
新設のインデックスは、世界中の大手プライベート企業を対象としており、セカンダリー市場で取引実績のある銘柄のみを選定しています。この指数の組成と算出には、ブローカー情報提供ネットワークを活用し、CaplightおよびPM Insightsから提供されるデータが使用されています。これにより、取引実績や企業規模に基づき、より高精度なリサーチに基づいたルールベースのアプローチが採用されています。
MSCIのインデックス部門責任者、ヤナ・ヘインズ氏は「プライベート市場に対する投資家の関心が高まる中、高品質なデータと統一されたパフォーマンス測定機能の提供が求められています。私たちの新しいインデックスが、投資家がプライベートエクイティやプライベートデットをポートフォリオに組み入れる際の助けとなることを期待しています」と語っています。
更に、MSCIは2024年7月に「MSCI プライベート・キャピタル・インデックス」もローンチ予定であり、こちらは時価総額11兆米ドル超のプライベートキャピタルファンドからパフォーマンス情報を得ることができます。MSCIは、投資家に必要なデータとツールを提供し、より良い投資判断をサポートすることに取り組んでいます。
詳しくは、MSCIの公式ウェブサイト(www.msci.com)をご覧ください。