脳梗塞予防に向けた須田教授の講演と新薬TMS-007の現状
脳梗塞のリスクが高まる中、株式会社ティムスは10月29日の世界脳卒中デーに合わせ、重要なプレス発表会を開催しました。この機会に菜日本医科大学の須田智教授が脳梗塞の予防とそれに対応する最新治療法について解説しました。蓮見惠司取締役会長とのトークセッションを通じて、脳梗塞に対する意識を深く掘り下げていきます。
知識不足の現実
須田教授の発表によると、「脳梗塞に関する意識調査」の結果、回答者の25.6%が脳梗塞後の後遺症について正しい理解をしていないという驚きの結果が出ました。脳梗塞への備えは重要ですが、治療法の進歩とは対照的に、実際には多くの患者が後遺症に直面しており、それが生活に多大な影響を与えています。
「生活への影響は大きく、仕事を失ったり、日常生活に介助が必要になったりすることもあります」と須田教授は語りました。若い世代の発患が増加する理由として、血管の老化や生活習慣病が挙げられ、高血圧、糖尿病、喫煙、大量飲酒などが脳梗塞のリスクを高める要因となります。
日常生活での予防対策
日常生活において脳梗塞を予防するために重要なことは、定期的な健康診断です。血圧や心電図、採血など基本的な検査を受け、生活習慣を見直すことが推奨されます。須田教授は喫煙を控え、適度な飲酒、ストレス管理、質の良い睡眠を強調しました。特に、睡眠時無呼吸の影響は重大であるため、注意が必要です。日常生活に運動を取り入れることも勧められます。
脳梗塞の早期発見
脳梗塞に早く気づくための合言葉として「BE FAST」が紹介されました。これは、Balance(ふらつき)、Eye(視覚異常)、Face(顔のゆがみ)、Arm(腕の麻痺)、Speech(言葉の不自由さ)、Time(特徴的な症状を感じたら急いで受診すること)という頭文字から成り立っています。これは、患者本人や家族が脳梗塞の兆候を見逃さないために役立つ指標です。
TMS-007の開発背景
須田教授が「時間が勝負」と述べるように、急性期脳梗塞の治療には迅速な対応が求められます。現在、標準治療として用いられるtPA(血栓溶解剤)は発症から4.5時間以内が使用の条件ですが、新薬TMS-007はこの制限を大きく超える可能性を秘めています。これにより、治療範囲が広がることが期待されます。
開発の苦難と成功の兆し
TMS-007の開発は容易ではなく、数多くの困難が伴いました。新しい作用メカニズムを持つこの薬剤は理解を得るのに時間がかかり、研究資金も限られていましたが、バイオジェンとの協力が大きな転機となりました。今後はTMS-007が従来の治療法に代わる新しい選択肢となる可能性があります。
医療現場への影響
発症からの猶予時間が24時間に延びれば、医療現場にとっても多大なメリットがあると須田教授は説明します。現在の4.5時間の制限がある中で、治療の選択肢が広がれば、これまで助けられなかった患者にも手が届くようになります。
TMS-007の期待と謎
TMS-007は血栓を溶かすだけでなく、脳の炎症を抑える特徴も持ち、これにより安全性が高まります。臨床試験の結果はポジティブで、今後は国際的な確認試験が進行中です。TMS-007があることで脳卒中の治療に新たな希望をもたらすかもしれません。
まとめ
今後、須田教授をはじめとする医療関係者が新しい知見をもとに脳梗塞治療を進化させていくことに期待が寄せられています。私たちも日常生活における予防策を講じ、脳梗塞についての理解を深めることが重要です。