障がい者のeスポーツ参加支援の重要性
一般社団法人日本 e スポーツ連合(JeSU)は、障がいを持つ方々がeスポーツに参加できるよう、支援者を育成するための入門セミナーを開催しました。このセミナーは2023年7月27日に実施され、医療福祉関係者を中心に約30名が参加しました。
eスポーツの魅力と可能性
eスポーツは、ビデオゲームを使用した対戦をスポーツ競技として位置づけるものであり、年齢や性別、身体的な能力に制約を受けずに楽しむことができるのが大きな特徴です。この特性を活かして、障がいを持つ方々もeスポーツを通じて競技を楽しみ、社会に参加する機会が広がっています。また、障がいを持つ方々の社会からの孤立感を低減し、二次障害のリスクを軽減するというメリットもあります。
セミナーの内容
セミナーでは、はじめにJeSU医事委員会の田中栄一先生が登壇し、国立病院機構北海道医療センターにおける実践例や課題について話しました。参加者は、視覚障がいを持つ方のための手作りのメガネ型装具を通じて、視覚的な制約がもたらす体験を実感しました。また、アクセシビリティに配慮したFlex Controllerを用いたゲームプレイも体験しました。
これに続いて、まばたきや呼気で操作できるデバイスや、医療現場で制作された手作りスイッチの体験が行われました。参加者は、タッチパネル端末を指で操作できない方向けに設定されたジョイスティック型の端末を顎で操作する実習を通じて、さまざまな支援技術を理解しました。
さらに、PlayStation®5のAccess™コントローラーと通常のゲームパッドの違いを体験し、言語機能に障がいのある方や運動機能に制約のある方々の支援の重要性についても気づきを得ることができました。
参加者の反応と今後の展望
セミナーの最後には、参加者同士のディスカッションが行われ、お互いの現場経験を共有し、有意義な意見交換が行われました。このような機会は、障がいを持つ方のニーズに寄り添った支援を提供するために不可欠です。
JeSUは、今後も障がい者のeスポーツ参加を支援し、身体的な制約を超えた競技の場を提供することに力を注ぎます。参加者は今後、JeSUが関与するeスポーツイベントで講師としての役割を担うことが期待されています。
日本eスポーツ連合の役割
この取り組みは、日本国内のeスポーツの普及と発展を目的に行われており、青少年の競技力向上やスポーツ精神の普及を目指しています。一般社団法人日本eスポーツ連合は、競技タイトルの公認や選手ライセンスの発行なども手掛け、日本のeスポーツシーンを盛り上げる活動を続けています。今後も日本eスポーツ連合は、障がいを持つ方々の社会参加を促進し、包括的で多様な社会の実現を目指していきます。