株式会社ispace、営業体制の見直しでグローバル展開を加速
東京都中央区に本社を構える株式会社ispaceは、2024年11月1日から新しい経営執行体制を導入し、日米欧を中心とした営業活動を一層強化することを発表しました。この変更に伴い、従来のChief Revenue Officer職を廃止し、代表取締役の袴田武史が営業戦略全体を統括します。
運営方針の変更により、袴田氏に加えて、米国拠点のCEOであるRonald J. Garan Jr.、欧州拠点のCEOであるJulien-Alexandre Lamamyが直接的に売上を管理し、効果的な営業活動を実施する体制に移行します。また、新設されるExecutive Business Director職によって、3つの拠点間の連携を強化し、経営管理も一層深化させる方針です。
新たな体制の背景と目的
ispaceの袴田武史代表取締役は、この組織変更に関して「日米欧政府を中心に月に対する需要が着実に拡大しています。このタイミングでの体制変更は、各地域の多様なニーズに迅速に対応し、グローバル法人間の協力プロセスを効果的に運用することをめざしています。」とコメントしています。
株式会社ispaceは、「Expand our planet. Expand our future.」をビジョンに掲げ、宇宙産業の発展に向けた取り組みを進めています。月面資源開発に特化したこのスタートアップは、日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、300名以上のスタッフが在籍しています。2010年の設立以来、「HAKUTO」という名の月面探査プロジェクトや、民間企業による月でのビジネス機会の拡大を目指した取り組みを行ってきました。
具体的な営業強化策
新しい営業体制では、特に月面への高頻度で低コストの輸送サービスの提供に焦点を当てています。これにより、NASAの「アルテミス計画」を含む多くの国際的なプロジェクトへの参画が期待されます。事実、2022年12月にはSpaceXのFalcon 9を利用して、ispaceの初の月面ミッションを成功させており、次のミッションは2024年12月に予定されています。
新たに得られたデータやノウハウは、後続のミッションへとフィードバックされる計画であり、これにより営業力の強化が図られる見込みです。さらなる進展として、ミッション3ではより精度を高めたサービスの提供を目指しており、月市場への進出が期待されます。
まとめ
今回の経営執行体制の変更は、ispaceがグローバル市場での競争に挑むための重要なステップを示しており、越境問題を解決し、各地域のニーズに対応する基盤を構築するものといえるでしょう。今後の展開に大いに期待が寄せられます。