佐伯市の学校給食で未利用魚アイゴが提供された理由と効果
佐伯市では2024年10月8日と9日に、4校で未利用魚であるアイゴを使用した給食提供が行われました。この活動は、海洋環境の保護意識を育むため、子どもたちに様々な海の生物やその利用法について学ぶ機会を提供するものです。約300食のアイゴのフライが小中学生に振る舞われ、子どもたちは美味しさを味わいながら、海について考えるきっかけを得ました。
開催概要
この取り組みは、佐伯市立直川小学校、直川中学校、緑豊小学校、緑豊中学校の計4校で行われました。出前授業では、全生徒が対象となり、アイゴや藻場、磯焼けについて主体的に学ぶ時間が設けられました。授業ではスライド資料を用い、佐伯の海の現状やアイゴの生態について紹介されました。子どもたちの真剣な態度や活発な質問は大変印象的で、特に「藻場の役割」「アイゴの特徴」といった質問にはたくさんの手が挙がりました。
学校給食の内容
給食では、アイゴにちなんだ料理が提供されました。直川小中学校や宇目緑豊小中学校では、アイゴに海藻類が好物であることに関連して、ひじきの混ぜご飯や地元の里芋を使用した味噌汁が登場しました。一方、東雲小中学校では、アイゴのフライをコッペパンに挟んでフィッシュバーガー風にして食べる生徒も見られ、楽しい食の体験をしていました。このように、ただ食べるだけでなく、食べながら学ぶ工夫が施されていました。
また、東雲小学校では給食の時間に校内放送を行い、アイゴやその取り組みについて紹介する機会も設けられ、学生の学びを深めました。「アイゴの皮は弾力があり、白身が美味しい」といった声も聞かれ、味わいながらその魅力を学ぶ姿が見受けられました。
参加者からの感想
参加した学生からは、「美味しいのにあまり利用されていないのはもったいない」という声が多く、人々がアイゴの良さを認識できるようになってきています。また、佐伯の海や環境に対する理解が深まったことで、「海を守るためにできることを考えたい」という前向きな意見もありました。この取り組みが、次世代の海洋環境保護への関心を高める一助となることが期待されます。
団体の概要
この取り組みは、一般社団法人KIISAが主催し、海と日本プロジェクトの協賛により実施されました。KIISAは、地域の高校生たちが参加するコミュニティカフェを運営し、地域活性化や海の環境問題への参画を促進しています。そして、日本財団「海と日本プロジェクト」は、海の大切さを全国に伝えるための取り組みを推進しています。子どもたちが「海を守る」という意識を持つことが、持続可能な未来を築くための第一歩となるでしょう。
このように、地元の食材を活用した給食提供や学びの時間は、子どもたちにとって貴重な体験となり、環境保全活動へ向けた意識の醸成にもつながっています。