小売業界向け新プロジェクト「J-MORA Intelligence」が始動
流通業界において、データの効率的な活用は企業の競争力を左右する重要な要素です。2025年7月から、「J-MORA Intelligence」という新たなプロジェクトが始まります。これは、一般社団法人リテールAI研究会とAIデータクラウドを提供するSnowflakeが共同で進めるもので、業界共通商品マスタ「J-MORA」を活用し、小売・流通業界のさまざまな現場の課題に挑むものです。
J-MORAの目的と概要
「J-MORA」は、小売・流通業界における商品情報の整理と管理を効率化するための仕組みです。従来、各企業は自社内で個別に商品情報を管理しており、分類基準や登録ルールが担当者によって異なり、統一性が欠けていました。その結果、データ連携や分析が難しくなるという課題が生じていたのです。これを解決するため、多くの業界関係者が共有する共通商品マスタの構築を目指しています。
プロジェクトの実施内容
このプロジェクトでは、参加者がプログラミングおよび実証実験を通じて、実務での課題解決に取り組みます。具体的には、集合研修として行われる実証実験型プログラムに参加し、PythonやSQLを用いたハンズオン形式でデータエンジニアリングやAI活用の技術を学びます。これによって、参加企業は自社の現場課題に即したデータの効率的な活用方法を習得することが可能です。
Snowflakeによる支援
Snowflakeは、高性能かつ安全なデータ共有機能を備えており、企業間や部門間のデータ連携を容易にします。従来手動で行われていた商品マスタ登録のプロセスを効率化することで、信頼性の高いデータ活用を推進します。また、共通基盤を形成することで、重複作業やシステム運用コストの削減が実現し、その分を「攻めのデータ活用」に振り向けることができます。このような取り組みを通じて、流通業界全体がデータドリブンな変革を遂げることを目指しています。
プロジェクトの参加要件と開催概要
「J-MORA Intelligence」プロジェクトの参加者は、小売、卸、製造、テック企業などで商品業務に関連する担当者が主な対象です。現在、リテールAI研究会の「正会員」または「流通会員」であることが参加条件となっています。具体的な日程は以下の通りです:
- - 集合研修: 2025年7月22日(火)と7月28日(月)の2日間、いずれかの日に参加。
- - 実証期間: 2025年7月31日~10月31日(
- - 成果発表: 2025年10月に都内で予定。
参加費用は無料で、募集人数は各社2名の計100名を予定しています。応募多数の場合は先着順となります。
リテールAI研究会とSnowflakeの役割
一般社団法人リテールAI研究会は、リテール分野におけるAIの活用を推進するために2017年に設立され、メーカーや卸、小売業を含む約240の会員企業が参加しています。一方、Snowflakeは、信頼性が高くて効率的なデータ活用を支援するクラウドプラットフォームを提供しており、業界全体の成長をサポートします。
結論
「J-MORA Intelligence」プロジェクトは、流通業界の効率化とデータの高度な活用を目指す革新的な取り組みです。参加者が直接肌で感じる実践的なプログラムを通じて、多くの現場の課題が解決されることを期待しています。