日揮ホールディングス株式会社は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の「次世代スペースチャンバシステム整備フィージビリティスタディ」(FS)の実施事業者に選定され、本年8月にその旨を発表しました。このプロジェクトは、宇宙機の開発と打上げ前の試験環境の重要性が高まる中、新しい熱真空試験設備の整備を目指しています。
宇宙機の品質や信頼性を確認するためには、地上で宇宙空間に似た環境を再現する必要があります。その役割を担うのがスペースチャンバです。この設備は、人工衛星や宇宙望遠鏡などの性能検証に不可欠であり、特に大型の熱真空試験設備は国内でも数が限られています。JAXA筑波宇宙センターにある国内最大級のスペースチャンバは、長期間運用されてきたため、次世代の施設が必要とされています。
本FSでは、主に大型真空容器を中心に据えた試験設備の仕様や設計計画、経済性について詳細に検討されます。事業は2027年度までの期間が予定されています。日揮は、EPC(設計・調達・建設)の経験を活かし、設備の具体化や整備計画を立案し、実現の可能性を多方面から検証することを約束しています。
日揮グループは、大規模設備の計画や建設において豊富な実績を持ち、特に熱真空試験設備に求められる極低温環境に関する技術や知識を蓄積しています。これまで80の国で約2万件のプロジェクトを行ってきた経験から、機能、品質、工期、コストの最適化に寄与するための検討を進めています。
今後、日揮は本FSを通じて得た知見や成果をEPC事業に生かし、実装段階までつなげることを目指しています。また、2026年5月に策定した新中期経営計画BSP2030のもと、一歩先を見据えたソリューション提案により、顧客と共にさまざまな課題に取り組む姿勢を強化しています。さらに、JAXAが進行中の他のプロジェクトにも関与し、2026年7月には月面推薬の生成に向けたプラントの設計に関するプロジェクトも採択されています。
日揮は、今後も宇宙分野での事業展開を進め、積み重ねてきた技術や遂行力を駆使して、JAXAの目指す日本の宇宙開発力の向上に寄与することを目指します。また、新しい試験設備の整備が将来的にどれほどの影響を持つか、そして宇宙機開発における日本の地位をどのように高めるのかが注目されます。家庭やビジネスのみならず、宇宙産業においても日揮の技術が新たな価値の創出につながることは間違いありません。