エンジニア後輩指導の実態
2026-07-22 09:43:19

ITエンジニアの後輩指導に関する実態、負担感と成長のジレンマ

ITエンジニアの後輩指導の実態に迫る



株式会社キッカケクリエイションが実施した調査によれば、ITエンジニアの約8割が後輩や部下の指導について「負担を感じている」と報告しています。特に、指導が自分の評価や給与に影響しないことが大きな要因となっているようです。このような実態は、エンジニアたちが直面している指導の難しさや、会社からのサポート不足に起因していることが明らかになりました。

調査内容と背景



本調査は、直近2年以内に新卒や中途の後輩・部下の指導に関わった25〜39歳のITエンジニア300名を対象に実施されました。指導に対する負担を感じる割合は、非常にそう感じるが28.7%、ややそう感じるが52.7%で、合計で81.4%に達しています。このような事情は、エンジニアの指導が「個人の善意や自助努力」に依存していることを示唆しており、その結果、組織全体の育成文化が損なわれる可能性が高まっています。

主な負担要因



指導についての負担を感じる理由として、最も多かったのは「指導したことが評価・給与に反映されない」(48.0%)という声。次いで「業務と並行して指導時間を確保するのが難しい」(45.1%)という意見が挙げられています。このように、指導が業務の一環として認識されておらず、「指導だから」という理由で忙しい業務の合間に指導を行うことが余計に負担を増加させている状況が見受けられます。

また、75.3%のエンジニアが「直接言えていないが伝えたいことがある」と述べ、その主な内容は「質問前に自分なりの仮説を持ってきてほしい」(52.2%)や「同じことを何度も聞かずにメモを取ってほしい」(39.8%)といったものでした。これを受けて、指導者側の期待と後輩側の行動規範のギャップが指導者にとっての精神的ストレスの一因であると言えます。

指導時に意識すること



指導を行う際に意識していることとして「1on1やレビューなど二人きりの場を設ける」(39.3%)や、「具体的な改善アクションとセットでフィードバックを行う」(38.3%)といった方法が挙げられました。このように、指導者たちは後輩にしっかりと教えるために多様な工夫をしている一方で、主体的に考える習慣を身につけさせること(43.7%)や、指示内容とゴールの認識のずれを防ぐこと(40.3%)に苦労している実態も浮き彫りになっています。

会社のサポートが不十分



調査では、後輩指導に対する会社からの評価やサポートが十分だと思っているのは、おおよそ65.7%ですが、32.3%は「不十分」と感じていることが分かりました。具体的な理由として、「育成カリキュラムが整っていない」(48.5%)や、「指導工数が業務として認められない」(46.4%)が挙げられ、根本的なサポート不足が指導に対する負担感を増幅させる要因になっていることがうかがえます。

指導経験の重要性



最後に興味深い点は、79.4%のエンジニアが、後輩・部下の指導経験が自身の成長に役立っていると実感していることです。これにより、負担を感じながらも指導経験が一種の自己成長の機会として機能していることが浮き彫りになりました。エンジニアたちは、忙しい業務の中で悩みながらも、しっかりと後輩を育てることに意味を見出しています。

まとめ



この調査結果からは、エンジニアの後輩指導が個人の努力だけに任されており、会社としての支援体制の明確な欠如が浮き彫りになりました。指導業務が評価や業務工数として認められる仕組みを構築し、育成カリキュラムやメンター制度を整備することが必要です。これが将来的には育成文化を企業の競争力として進化させる第一歩となるでしょう。


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