新NISA利用の実態調査が明らかに
2024年1月に始まった新NISAプログラムから半年が経過し、その利用実態をめぐる調査結果が発表されました。本調査は、金融教育事業を展開する株式会社バイアンドホールドが実施し、全国の30歳から59歳までの500名を対象に行われました。この調査では、具体的な投資スタイルや運用成績について明らかになっています。
調査結果の概要
まず、調査結果の中で特に注目されるのが、投資先として「個別株(日本株)」が最も選ばれたという点です。「個別株」は39パーセントの支持を得ており、前回の調査でトップだった「投資信託(米国株)」や「投資信託(全世界株)」を超える結果となりました。株式投資の際に日本の企業に対する関心が強まっていることが反映されているといえるでしょう。
次に、つみたて投資枠の利用状況が明らかになりました。調査対象者の43パーセントが「つみたて投資枠」を利用していると回答。さらに75パーセントが「つみたて投資枠」か「つみたて投資枠と成長投資枠」を利用している点からも、多くの投資家が安定した投資スタイルを望んでいることが伺えます。
投資額の状況
また、年間の投資予定額について質問した結果、「10万円~30万円未満」と答えた層が14パーセントでトップに立ちました。この傾向から、より多くの投資家が着実な投資を進める意向を持っていることがわかります。前回調査で案出された「未定」との回答が減少してきていることも、投資意識の高まりを示している一因かもしれません。
つみたて投資枠を利用している377名に対する質問では、月々の積立金額の中央値が上限の「10万円」に設定されていることが明らかになりました。これより高い投資額が設定されていることを反映し、特に20代や30代の投資家の間で、将来を見据えた資産形成への意識が高まりつつあるようです。
運用成績の実態
運用成績についても言及があり、約6割弱の投資家が元本比で20パーセント未満の増加を実感していました。驚くべきことに、元本割れを経験している投資家はわずか3パーセントにとどまり、多くの投資家が安定した運用を実現できていると見受けられます。
株式会社バイアンドホールドと調査の意義
今回の調査を行った株式会社バイアンドホールドは、金融教育を専門とする企業で、代表取締役社長の山口貴大氏が率いる「Financial Free College」を運営しています。山口氏は、若い世代に対する資産運用や金融リテラシーの啓蒙に貢献しており、その教育実績も評価されています。
新NISA利用の実態調査は、今後の投資環境を把握する上でも重要なデータを提供するもので、より多くの人々が金融知識を身につけ、資産形成を進められることが期待されています。新たな投資の流れが形成される中、投資家たちの動向に対する関心が高まり続けることでしょう。