三菱総合研究所、資源循環システム構築の実証事業を完了
株式会社三菱総合研究所(以下、MRI)は、経済産業省が推奨する「令和7年度広域自治体における資源循環システム構築の実証事業」を通じて、大都市圏から地方都市、中小地域における資源循環システムのモデル検証を行い、ついにその結果を発表しました。この検証は、地域ごとの特性に基づいて具体的なリサイクル手法や広域的な連携の在り方を洗い出すものでした。
背景:循環経済へのシフト
近年、世界中で資源の枯渇や環境問題に対処する必要性が叫ばれており、循環経済への移行が急務とされています。日本でも、資源の自給自足を目指すための取り組みが進んでいますが、特に地域循環システムの構築や再生資材の利用拡大はまだ途上です。そこで、経済産業省は広域的な循環システムの構築や安定的な再生材の供給に向けた施策を進め、MRIがその実証を担うことになりました。
このプロジェクトでは、大都市圏、地方都市、中小地域の3つの地域類型に焦点を当て、地域の特性に合わせた資源循環システムを実証しました。実証のフレームワークが特徴的で、各地域が持つ異なる排出特性やインフラ条件を考慮したものとなっています。
実証事業の概要と成果
実証は2025年9月から2026年2月末にかけて行われ、データの収集や分析が行なわれました。
大都市圏での実証
大都市圏では、工場やオフィス、店舗、家庭からの排出物に着目しました。具体的には、次の項目が検証されました。
工場から発生するプラスチック資源のケミカルリサイクル。
オフィスや店舗から排出される事業系プラスチックのケミカルリサイクル。
* 家庭から出される容器包装リサイクルプラスチックのマテリアルリサイクル。
これらの検証結果により、各排出源に最適なリサイクル手法を選定し、資源循環システム全体での構築が不可欠であることが確認されました。
地方都市での実証
地方都市においては、家庭からのプラスチックに特化し、高度な選別技術を用いたリサイクルチェーンの検証が行われました。その結果、高品質の再生材を供給するためには、選別や前処理技術の高度化が重要であると認識されました。また、地域特性を踏まえた処理量の確保や適切な選別精度を見極めた出口戦略が鍵となることが確認されました。
中小地域での実証
中小地域では、回収量が限られている中で、住民の高い分別精度を活かした資源循環モデルを構築しました。このモデルでは、住民による分別の強さを活かしつつ、複数の自治体での広域連携によってスケールメリットを確保できることが示されました。さらに、効率的な回収や選別、再資源化処理の必要性も浮き彫りとなりました。
今後の展望
MRIは、この実証事業で得られた知見を基に、地域特性に応じた資源循環モデルの社会実装を推進していきます。分別技術や選別効率の向上に加え、マテリアルリサイクルとケミカルリサイクルの最適な組合せの研究も進めていく予定です。また、再生材の用途拡大や市場形成に向けた取り組みも続けていきます。
この取り組みは、令和8年度の「広域自治体による資源循環システムの構築に向けた実証事業」でも引き続き行われる予定です。その結果にも期待が寄せられることでしょう。これにより、地域の実情に即した資源循環システムが一層強化されることが期待されています。