人道支援要員の保護
2024-06-25 18:43:12

人道支援要員の安全確保に向けた国連安保理決議採択:ICRCの呼びかけ

人道支援要員の安全確保を訴えるICRC:国連安保理決議2730号採択



国際赤十字委員会(ICRC)は、国連安全保障理事会決議2730号の採択を歓迎し、武力紛争の当事者に対し、人道支援要員とその施設や資産を尊重し保護する義務を改めて強く訴えました。

同決議は、人道支援要員が直面する様々な危険性を改めて認識しています。言語による脅迫や恫喝に加え、行方不明になったり死傷したりするリスクは、日々現実として存在しています。

人道支援要員が危険にさらされる要因として、紛争当事者による国際人道法の不遵守、支援活動における人道スペースとアクセス制限、複雑化する紛争状況などが挙げられます。

ICRCは、戦場やその付近で活動する人道支援要員の効果的な保護のため、区別・均衡性・予防の原則を徹底的に実践する必要があると強調しています。

人道支援要員の安全が脅かされることは、紛争地での活動能力を低下させ、人道支援と保護を提供する機会を減らすことに繋がります。その結果、最も苦しむのは支援を切望する民間人です。

ICRCのミリアナ・スポリアリッチ総裁は、「赤十字・赤新月社のボランティアやICRC職員は、紛争の現場で真っ先に対応するケースが多く、人間の生命と尊厳を守るために高い代償を払っています。すべての人道支援に携わる人びとに敬意を表するべく、私たちICRCも国連安保理とともにいます。」と述べています。

決議2730号では、サイバー脅威や不発弾による危険性も指摘されており、特に国内や現地で採用されたスタッフが大きな犠牲を払っている現状が強調されています。

ICRCは、人道支援要員が容認できないほど高い代償を払うような事態を止めるため、決議2730号が実践の場で精力的に適用されることを強く望んでいます。

関連情報:

* 国際人道法について: https://jp.icrc.org/information/what-is-international-humanitarian-law/


人道支援要員を守るために:決議2730号への期待



国連安保理決議2730号は、人道支援要員の安全確保という喫緊の課題に対する重要な一歩と言えるでしょう。しかし、決議の採択だけでは十分ではありません。

紛争当事者、そして国際社会全体が、人道支援要員の保護に対する責任を真摯に受け止め、決議内容の実行に尽力することが重要です。

具体的には、紛争当事者は国際人道法を遵守し、人道支援活動の妨害や人道支援要員への攻撃を停止する必要があります。

また、国際社会は、人道支援団体への資金提供や技術支援を通じて、安全な活動環境の構築を支援する必要があります。

決議2730号は、人道支援活動の現場で働く人びとの安全確保に向けた重要なメッセージであり、国際社会全体でその内容を理解し、実践していくことが求められます。

人道支援要員は、紛争の犠牲者や被災者への支援という重要な役割を担っています。彼らが安全に活動できる環境を確保することは、人道主義の理念に基づく国際社会の責任であり、持続可能な平和の実現に不可欠です。

決議2730号が、人道支援要員の保護と安全確保に向けた具体的な行動へと繋がることを期待し、国際社会全体が人道支援活動を支えるための努力を続けていく必要があります。


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