AI面接に対する就活生のリアルな声
就職活動を経験した学生に向けた調査が実施され、新たなトレンドであるAI面接に対する不安の実態が浮き彫りになりました。新卒向けの就活情報サイト「就活の教科書」を運営する株式会社Synergy Careerが発表したこの調査によると、対象となった200名の就活生の64%がAI面接に対して不安を感じていると回答、これは非常に高い数字です。
調査結果の概要
この調査は、就活生のAI面接に対する意見や感情を探るために行われました。オンラインでのアンケート調査を通じて、200名の就活生から意見が集められました。調査期間は2025年5月19日から20日までで、有効な回答数は200件。就活生は20代前半の男女が中心で、AI面接を受けた経験の有無、そしてその際の感情、企業の印象などについて質問が行われました。
就活生が感じるAI面接への不安
調査の結果、就活生の64%がAI面接に何らかの不安を抱いていることが明らかになりました。その内訳を見ると、「とても不安に感じる」と答えた人が39人、「やや不安に感じる」とした人が89人、そして「全く不安ではない」との回答はわずか3%の6人でした。この結果からも、就活生の多くがAI面接に対してネガティブな感情を抱いていることがわかります。
人間の面接官を好む声
さらに興味深い結果は、66.5%の就活生が「人間の面接官が良い」との回答を示した点です。AI面接が好まれると答えたのは14%にとどまり、対面での面接を重視したいと考える学生が多数派であることが確認されました。このことは、AI面接への信頼が依然として低いことを示しています。
企業に対する印象は中立
AI面接を導入している企業に対する印象については、「どちらでもない」と回答した人が89人と最も多かったことが印象的です。「良い印象」と「悪い印象」はほぼ均等で、企業のAI導入が必ずしも企業イメージを損なうわけではないということも分かりました。
評価基準への不満
また、AI面接に対するネガティブな印象としては「評価基準がわからない」との回答が94件、「人間味がない」が92件受けたことが目を引きます。学生たちは、自分がどこを評価されているのかが不明瞭であることに不安を覚えており、AI面接に対する共感や納得感が不足している様子が浮かび上がります。それでも、ポジティブな意見としては「先進的」と感じる人もおり、何とかAI面接の利点を見出そうとしています。
結論
今回の調査結果から、就活生がAI面接に対して抱く不安は依然として根強いことがわかりました。AI技術が進む中で、学生たちが安心してその利点を享受できるよう、企業側の配慮が求められます。AI面接が新しい選考基準として定着するには、まずは学生たちが安心できる環境づくりが必要だと感じられます。