ヘリウム供給構想
2024-10-07 11:46:23

岡山大学が提唱する液体ヘリウム供給拠点構想の全貌

岡山大学が提唱する液体ヘリウム供給拠点構想の全貌



国立大学法人岡山大学が最近注目されているのは、研究活動に欠かせない液体ヘリウムの安定供給を目指す「ヘリウム供給拠点構想」です。この取り組みは、液体ヘリウムの利活用が広がることを意図しており、大学や研究機関の研究活動の支えとなるものです。特に、液体ヘリウムは高額で輸入に依存しているため、その供給が不安定であり、価格も上昇してきています。この状況を打破するために、岡山大学は複数の大学や研究機関との連携を模索しています。

液体ヘリウムは、特に核磁気共鳴(NMR)装置をはじめとする高精度の研究機器で使用されます。しかし、その流通は困難であり、特に新型コロナウイルスや国際紛争の影響で、供給が滞る事態が続いています。岡山大学はこの問題を認識し、2019年に発表された「ヘリウム危機」に対処するための活動を本格化させています。

具体的な取り組みの内容



岡山大学は液体ヘリウムの液化装置を所有しており、この設備を利用して学内の利用者に供給しています。そして、使用後に発生するヘリウムガスを回収し、再液化して再利用するリサイクルシステムを構築しています。このようなシステムを通じて、岡山大学は学内でのヘリウムリサイクルを実現しています。

加えて、液体ヘリウム液化装置は高額で、その整備には専門的な技術が求められることから、他の大学や研究機関には簡単に導入できないのが現実です。そのため、地域の研究機関や大学が協力し、岡山大学を中心とした供給体制を構築することが重要だとされています。この協力体制により、液体ヘリウムを利用した研究活動が拡充し、日本全体の研究力が向上することが期待されます。

政府との連携と意見交換



岡山大学では、2024年9月4日に文部科学省の科学技術・学術政策局の関係者を招いて意見交換の場を設けました。この会議では、液体ヘリウムの供給拠点としての役割や、全国の大学と連携したリサイクルの体制などが議論されました。

岡山大学の関係者は、「近隣の大学や高専でも液体ヘリウムの入手に苦労しているという実態がある。これを改善するために、液体ヘリウムの供給を行い、地域全体の研究環境を整える必要がある」と話しています。このように、岡山大学は地域大学との連携を強化し、ヘリウム供給のリサイクル体制構築に邁進しています。

地域での研究環境の強化



さらに、岡山大学は「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」にも取り組んでおり、地域の研究力を高めるための一環として、液体ヘリウムの利用促進が位置づけられています。このプロジェクトを通じて、岡山大学は地域大学・研究機関・企業との協力体制を強化し、持続可能な研究基盤の構築を目指しています。

研究活動を支える基盤の整備は、単なるインフラの強化にとどまらず、地域経済や社会全体に対するイノベーションを生むことにもつながります。

結論



岡山大学の「ヘリウム供給拠点構想」は、地域の大学や研究機関との連携を通じて、液体ヘリウムの供給とリサイクルの新たなシステムを確立しようとしています。この取り組みは、国の研究環境を支えるだけでなく、地域発展にも寄与する重要な試みです。岡山大学は今後もこの構想を進め、持続可能な研究基盤の整備に邁進するとしています。


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会社情報

会社名
国立大学法人岡山大学
住所
岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス本部棟
電話番号
086-252-1111

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