南海電鉄が新たに設立したCVC、NANKAI NEXT Venturesの運用開始
2025年1月に、南海電鉄が設立したコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)「NANKAI NEXT Ventures株式会社」が、スタートアップへの投資を本格化させました。代表取締役社長には、古山邦彦氏が就任し、本社は大阪市に位置しています。これにより、南海グループは新たな収益事業の創出を目指すことになります。
NANKAI NEXT Venturesは、設立当初からスタートアップへの出資を積極的に行う方針を打ち出しています。初回の出資先として選ばれたのは「株式会社はんぽさき」、「株式会社KaKa Creation」、そして「株式会社MOOV」の3社。これらの企業は、それぞれ独自の属性やビジョンを持ち、興味深い成長ポテンシャルを秘めています。
NANKAI NEXT Venturesの目的と特徴
同社の主な目的は、スタートアップの探索と出資を通じて、新たな事業モデルを開発し、中長期的に収益を上げることです。南海グループは、これまでのコア事業にとらわれず、革新性を重視した領域に投資します。高い成長性と収益性を持つ事業モデルに基づき、将来的な成長に向けてスタートアップと連携を図ります。
出資先企業の概要
1. 株式会社はんぽさき
株式会社はんぽさきは、デジタル地図を利用したフィールド業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するアプリ「LivMap」を開発しています。このアプリの特徴は、汎用性が高く、コストが抑えられる点で、様々なインフラ管理や災害対策に役立っています。
2. 株式会社KaKa Creation
株式会社KaKa Creationは、「AIの力で、創造する人に力を。」というミッションのもと、生成AIを活用したアニメーション制作を行っています。この企業は、制作現場の人手不足を解消しつつ、人間の創造力をAIと組み合わせることで、新しいクリエイションを生み出そうとしています。
3. 株式会社MOOV
株式会社MOOVは、独自のデリバリー型カーシェアサービスを提供しており、「移動をもっと自由に、もっとお得に。」をテーマにした事業を展開しています。このスタートアップは、デジタル技術を駆使した効率的な移動手段を提供し、利用者の利便性を向上させる取り組みをしています。
今後の展望
NANKAI NEXT Venturesは、今回の出資を皮切りにさらなるスタートアップへの投資を進めていく計画です。すでに約20億円の運用規模を目指し、2028年3月までに投資を実行することを目標としています。今後どのようなスタートアップがNANKAI NEXT Venturesの支援を受け、成長していくのか、注目が集まります。南海電鉄は、最先端の技術を取り入れた企業との連携を通じて、新たな事業の発掘に挑戦し続けます。これにより、地域経済や社会の発展にも寄与することを期待しています。