2030年問題に立ち向かう「ゼロラボ」
日本の空き家問題が深刻化しています。2025年には団塊世代が80歳を超え、相続問題が本格化すると予測されています。この祭典的な状況に対応するため、Difference Design株式会社が新たに始めたサービス「ゼロラボ」が注目されています。
空き家問題の現状
全国の空き家数は約900万戸に達し、空き家率は過去最高の13.8%に達しました。特に大阪府では約70万戸の空き家があり、大阪市の場合、その空き家率は17.1%に達しています。この問題は、他人事とは言えない状況にまで達しています。
特に注目すべきは、団塊世代の世代交代に伴う相続問題です。相続が進むことで、空き家がさらに増加することが懸念されています。野村総合研究所の調査によれば、対策が進まなければ2033年までに空き家数が2150万戸に達する可能性が指摘されています。
「ゼロラボ」とは何か?
「ゼロラボ」は、Difference Design株式会社が提案する空き家再生サービスです。このサービスは、オーナーが一切の負担なしに空き家をリノベーションし、売却から得た利益からリノベーション費用を回収する仕組みになっています。これにより、オーナーは一切のコストを負担せずに空き家を再生可能です。
特に、年末年始は家族が集まりやすい時期であり、「実家をどうするか」という話題が交わされることが多く、このタイミングで「ゼロラボ」を活用する人が増えることが期待されています。
法改正で空き家問題が加速
2023年には空き家対策法が改正されました。新設された「管理不全空き家」の区分により、管理が不十分な空き家は自治体から認定され、その結果として固定資産税が最大6倍に引き上げられる可能性があります。このような法的変化により、オーナーが空き家を放置するリスクは増大しています。
「ゼロラボ」の特長
- - オーナー負担ゼロ: 初期費用や工事費用が一切不要。リスクを最小限に抑えることができます。
- - 税負担リスクの回避: 適切な管理によって、地方税が最大で6倍に増額されるリスクを避けることが可能です。
- - 地域の景観と治安の維持: 空き家の適切な再生によって、地域全体の価値を維持します。
- - 売却益の最大化: リノベーション後、物件の価値が向上し、オーナーにも利益が還元されます。
実際の事例
ゼロラボの実績の一つに、兵庫県にある築30年の空き家があります。この物件は元の評価額が約800万円でしたが、ゼロラボのサービスを利用してリノベーションされた結果、最終的に1980万円で売却されました。このケースでは、オーナーはコストを一切負担せず、約200万円の利益を得ることができました。
代表の考え
Difference Designの代表である杉 将史氏は、「ゼロラボは単なる金銭的負担の軽減だけでなく、思い出の家を生まれ変わらせる感情的なケアを提供するサービスです」と述べています。実際にゼロラボを利用したオーナーからは、「また誰かの暮らしにつながることが嬉しい」という声が多く上がっています。
まとめ
「ゼロラボ」は、増大する空き家問題対策として、費用負担ゼロでの空き家再生を実現します。対策の必要性が高まる中、このサービスがどのように地域やオーナーに貢献していくのか、今後の展開に期待が寄せられています。