9月17日、東京の明治記念館で開かれた日本学術振興会(学振)主催の「特別研究員-RPD研究交流会」において、岡山理科大学フロンティア理工学研究所に所属する岩井麻理菜・学振特別研究員が秋篠宮妃紀子さまと直接懇談する機会を得ました。主に再生医学を研究する岩井さんは、紀子さまに自身の研究内容を熱心に説明し、興味深く耳を傾けられたとのことです。
RPDとは、出産や子育てによって研究を一時中断した若手研究者の復帰を支援する制度です。紀子さまは学振の名誉特別研究員を務めており、この交流会にも毎年出席されています。岩井さんは獣医師としての専門知識を活かし、「細胞の自己凝集化技術による生体汗腺模擬組織体の創出と応用開拓」というテーマで研究を進めています。このテーマは、ペット動物の医療にも寄与できることを目指したもので、非常に興味深いものです。
交流会では、研究内容や育児との両立に関する講演が行われ、その後、紀子さまは出席者と懇談されました。岩井さんは、生体の汗腺を立体的に再現する手法について詳しく説明し、ペット動物の医療にも応用したいと話しました。すると紀子さまは、彼女の研究の熱意を称賛しつつ、犬や猫の汗腺が全身にあるわけではなく、主に肉球に存在することを知り、驚かれていたそうです。
岩井さん自身はこの経験を通じて、「紀子さまは私の一つ一つの話に興味を持って耳を傾けてくださいました」と振り返り、交流会で他の研究者と情報交換できたことが大きな刺激になったと話しています。子育てと研究活動の両立を図りながら、研究に対する熱意を持ち続け、医療に貢献する成果を生み出したいと抱負を語りました。
岡山理科大学は岡山県岡山市および愛媛県今治市にキャンパスを持ち、8学部20学科1コース2研究科を擁する多様な学びの場を提供しています。これにより、学生は理論だけでなく実践的な知識を学び、将来のキャリアに活かせる教育を受けることができます。
今後も、岩井特別研究員のように多様なバックグラウンドを持つ研究者が積極的に研究を行い、社会に貢献していく姿が期待されます。彼女の情熱的な研究が、ペットの医療にも新たな道を開くことを願っています。