2025年11月度「QPI」に見る賃金の真実
株式会社ペイロールと株式会社QUICKが共同開発した新しい賃金指標「QPI(QUICKペイロール賃金インデックス)」が、2025年11月度の確報を発表しました。これにより、最新の賃金動向が明らかになり、社会全体の賃金の流れを把握するのに役立つ情報が提供されています。
賃金指標のポイント
発表によれば、2025年10月度には実質手取りがプラスに転じたものの、11月度では再びマイナスに戻ってしまったことが示唆されています。これには重要な背景があると見られ、勤労者の生活に影響を及ぼす要因も多岐にわたります。
手取りの動向
10月に物価上昇に伴い、可処分所得が増加したとされますが、11月のQPIではその伸びが大きく減少。実質的な手取りの伸びは再びマイナスとなり、勤労者の生活基盤への影響が懸念されます。特に、残業の時間の削減や不定期な手当の削減が影響している可能性があると分析されています。
表:QPIの数値比較
| 指標名 | 2025年10月度 | 2025年11月度 |
|---|
| -- | ---- | ---- |
| 所定内給与QPI | +3.10% | +2.94% |
| 可処分所得QPI | +2.90% | +1.84% |
| 地方税QPI | +1.46% | +1.42% |
| 所得税QPI | +14.70% | +11.89% |
| 社会保険料QPI | +2.36% | +2.28% |
このように、特に所得税に関するQPIが大きく減少していることは、労働者の負担に直接関わる重要な指標といえるでしょう。また、社会保険料の減少も、安定した生活を送る上での影響を及ぼしています。
背景にある要因
QPIの減少は、主に企業の働き方改革の一環である残業時間の抑制が影響を及ぼしていると考えられます。さらに、手当の不定期性が実質的な給与に影響し、安定した収入増加を妨げている状況が浮かび上がります。これに対し、労働者は安定した収入を得るためには、どのような施策を求めるべきかが問われます。
今後の見通し
2025年12月度のデータ速報は2026年1月14日に発表される予定であり、確報値は2026年1月19日に公開される見込みです。また、次回は年収情報も合わせて発表されるとのことです。これにより、さらなる賃金や手取り額の動向が注目されることになります。
株式会社ペイロールについて
ペイロールは1989年に設立され、大手企業に対して給与計算業務のビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)を提供してきました。260社、112万人の給与計算業務を受託しており、独自開発したクラウド人事給与ソフトを利用した汎用型サービス「HR BPaaS」を特徴としています。このサービスは、お客様の複雑な給与計算ロジックに対応しつつ、業務の標準化を推進することで、高い柔軟性と拡張性を兼ね備えています。
まとめ
2025年11月度のQPIの結果は、昨今の労働環境や賃金状況を反映した重要なデータとなります。特に手取りの減少は、労働者の生活に直結する問題であり、今後の動向を見守る必要があるでしょう。企業は働き方改革を推進しつつ、勤労者の生活を支えるための戦略を模索する必要があります。