天草の海に新たな未来を切り開く挑戦
株式会社ふく成(以下、ふく成)は、熊本県天草市で桜鱒(サクラマス)の海面試験養殖を開始することを発表しました。この取り組みは、2025年12月12日を予定しており、地域の漁業を活性化し、未来を見据えた新しい産業を生み出すことを目指しています。
地域の変化と新たな挑戦
天草の海は、長い歴史の中で人々の生活を支えてきました。しかし、近年では海水温の上昇や潮の変動、赤潮といった影響により、漁業が危機に直面しています。そうした現実を受けてふく成は、地域の資源を最大限に活用し、新たな可能性を探るための具体的なアクションを起こす必要があると感じました。
「私たちがまず動くべきだ」という思いから、ふく成は株式会社Smolt(以下、Smolt)との協力を決断しました。Smoltは、九州の温暖な海域において高温耐性を持つサクラマスの養殖を行っており、今回のプロジェクトは双方の技術と経験を融合させた結果生まれたものです。
サクラマスとの出会い - 未来を象徴する魚
ふく成がサクラマスを選んだ理由は、御所浦の海に新しい可能性をもたらすと確信したからです。特に冬から春にかけての期間が適しており、環境変動の影響を受けにくい特性を持っているため、漁業者にとっては理想的な魚種です。このことが、新たな水産業モデル構築への期待をさらに高めています。
また、Smoltが開発した高温耐性のサクラマスは、天草の海環境とも絶妙にマッチします。両社の共同作業により、天草の水産業が持つ潜在能力を引き出す新しい養殖モデルが実現する見込みです。
協業による新たな可能性
ふく成の養殖技術とSmoltの科学的知見が結びつくことで、天草の独自の生産モデルが生まれます。サクラマスの養殖は、持続可能な水産業を実現したいという新たな挑戦でもあります。23023年から芽吹く「天草産サーモン」のブランドは、地域の新たな特産品としての地位を確立する可能性を秘めています。
未来に向けた第1歩
2024年12月12日には試験養殖が始まり、初めは約2,000尾の稚魚が養殖されます。これにより天草の海に新しい物語が刻まれることになるでしょう。ふく成の代表取締役、平尾優氏は「地域企業としての使命を果たすため、環境と調和した新たなモデルを構築したい」と強く述べています。
地域への想いと将来へのビジョン
このプロジェクトは、若者が戻ってくる産業創出や持続可能な漁業の実現にも寄与することを目指しています。ふく成は「未来のこどもたちに食をつなぐ」というミッションのもと、地域社会と共に歩み続けます。サクラマスの養殖事業は、その第一歩として位置づけられています。
この新たな挑戦によって、天草の未来が照らされることを期待しています。