新たなる未来へ、ベルエナジーの「MESTA Gen」
ベルエナジー株式会社は、茨城県つくば市に本社を構える企業で、最新技術を駆使した電源車「MESTA Gen」を発表しました。この完全ゼロエミッション電源車は、走行から給電までの全過程で脱炭素を実現した初の試みとなります。
「MESTA Gen」の基盤は、EVに搭載された駆動用バッテリーから直接電力を取り出すという独自の技術です。この技術によって、最大50kWの大出力な三相電力供給を実現。これまでの技術では不可能とされていた、EVからの電力供給の新たな可能性を切り開きました。
さまざまな現場での利用価値
この電源車の特性によって、建設現場での電動重機への充電が可能になるだけでなく、三相電源が必要な現場にも「電気の宅配」ができます。災害時には大規模な停電に対応する能力も備えており、携帯基地局への電力供給や、集合住宅のエレベーター、機械式駐車場、給水ポンプなどの産業機器の稼働にも利用されることが期待されています。特に、100人分の電気毛布を連続使用できるほどのバッテリー容量は、避難所において非常に重宝されることでしょう。
機能的かつ実用的なデザイン
「MESTA Gen」の最大の魅力は、通常のEV(例:日産リーフ)の backendに全ての機能を統合し、普段使いの車両としても利用可能である点です。これにより、より効率的な運用が可能となり、この電源車は日常の移動手段を兼ねた、実用的かつ機能的な選択肢となります。
脱炭素化への寄与
「MESTA Gen」は、建設工事においても大きな役割を果たすと期待されています。清水建設株式会社と連携し、技術デモンストレーションを行いました。このデモでは、EVから供給した電力を使って、同社の開発した溶接ロボット「Robo-Welder」を動作させ、電源車の高出力が現場での利用にどれほど貢献できるかを実証しました。清水建設の脱炭素化に向けた取り組みとの連携も進められるのです。
未来に向けた希望
この取り組みは、清水建設が目指す「V2C(Vehicle to Construction)」という概念を実現する手助けとなるでしょう。建物の運用時以外に発生する二酸化炭素(エンボディドカーボン)の削減も図られており、持続可能な社会の実現へ寄与します。今後の「MESTA Gen」の活躍が大いに期待されます。