日本人の不安
2008-09-26 10:39:17
日本人の深刻な不安、生活観と価値観変化の実態
深い不安の海に漂流し始めた日本人の現状
最近、株式会社I&S BBDOが実施した調査によると、日本人の生活意識や価値観に大きな変化が生じていることが明らかになりました。2001年から毎年行われているこの調査では、消費者の生き方や人生観、購買行動などを把握しています。今年の結果は、特に経済的および物質的な面での不安の高まりを浮き彫りにしています。
経済的・物質的な幸福感の低下
2008年の調査結果では、「今の日本は経済的に暮らしやすい」と感じている人の割合が21.9%から16.6%に急落しました。また「今の日本は物質的に暮らしやすい」という回答も61.1%から52.6%に減少しました。これは過去最大の幅での変化であり、多くの日本人が経済状況に対して深い不安を感じていることを示しています。
政治への関心の高まり
このような経済的不安を反映してか、政治への関心も高まっています。今年の調査では、政治に対する関心が54.4%から60.1%に増加しました。「無関心ではいられない」という状況が強まっており、社会の現状に対する意識が変化していることが伺えます。
生活不安の増加
さらに、多くの人々が「いつ事件や犯罪に巻き込まれてもおかしくない」と感じています。この意識は84.2%という高い数字で表れ、日常生活に対する深い不安が蔓延していることがわかります。
年代別の意識の違い
年代別で見ると、「他人に迷惑をかけなければ、基本的には自由だ」と感じる人は特に若年層で高く、18-29歳では64.3%に達しています。この傾向は、自由に対する考え方に世代間の違いが生じていることを示しています。同様に、「誰も見ていなければ、多少規則を破っても構わない」という意見も若年層で高く、42.3%にのぼっています。一方、高齢層は「年の離れた人とは互いに理解し合えない」と感じる傾向が強く、世代間の溝が広がっています。
結婚観の変化
結婚に関しては、トラディショナルな価値観への回帰が見られます。調査によると、「夫婦は友達のような関係がよい」との答えは52.3%から43.6%に減少し、また「必ずしも結婚しなくてもよい」という考え方も46.1%から41.6%に下がっています。これにより、結婚観が新たに変化していることが明らかです。
環境問題に対する意識
環境問題への関心は高いものの、実際の行動にはまだ課題が残るという実態もあります。「環境に優しく、同時に節約になることをしたい」と答えた人は87.8%に上る一方で、商品の過剰な包装を断っている人は38.6%、マイバッグを持ち歩く割合も32.0%と、おおむね3割台にとどまっています。これらの結果は、理想と実態との乖離を示しています。
この調査は、日本人の生活意識や価値観の変化に関する重要なデータを提供しており、今後の社会動向を示唆しています。生活の質や価値観の違いに注目し、更なる調査と考察が求められます。
会社情報
- 会社名
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株式会社I&S BBDO
- 住所
- 東京都中央区晴海1-8-10晴海トリトンスクエアX棟
- 電話番号
-
03-6221-8585