三菱ガス化学が新潟で水素充填装置「シンプルフューエル」を稼働開始

三菱ガス化学の新たな挑戦

三菱ガス化学は2022年12月9日、同社の新潟工場にて「シンプルフューエル」と名付けられた燃料電池フォークリフト専用の水素充填装置の運用を開始しました。この装置は、環境に優しい水素を効率的に製造・供給するために設計されたもので、FCフォークリフトが必要とする水素を確実に供給できるシステムです。

環境に優しい水素の製造

新潟工場に設置されたこの水素ステーションは、再生可能エネルギー由来の電力と水を原料とする水電解装置を使用し、水素を製造します。実際には、工場内で稼働する7台のFCフォークリフトに水素を供給する役割を担っています。これにより、輸送コストや輸送時の環境負荷を大幅に削減することができ、作業効率も向上します。

機能と設計

「シンプルフューエル」は、わずか車1台分のスペース（全長2.6m x 全幅1.3m）に、様々な機能を凝縮しています。具体的には、水電解装置、圧縮機、蓄圧器、ディスペンサーが組み込まれており、これにより従来と比べて省エネルギーかつコンパクトな設計を実現しています。また、フォークリフトの稼働状況に応じて必要な分だけ水素を生成するため、エネルギー効率も優れています。

コストの優位性

この新しい水素充填装置は、従来の設備に比べ初期投資費用が抑えられているため、多くの企業にとって導入しやすい選択肢となるでしょう。特に、工場や倉庫内に設置できることから、運用の自由度も大幅に向上します。これにより、ユーザーは効率的に水素を利用し、環境負荷を軽減する新たな取り組みを進めることができるでしょう。

将来への展望

三菱ガス化学は2022年度から、「シンプルフューエル・ファースト」という燃料電池自動車向けの充填装置の販売を開始しました。この装置は、環境に配慮した水素の製造、供給に特化しており、再生可能エネルギーをフル活用したシステムを構築しています。今後も同社は、革新的な技術とアイディアを駆使し、水素社会の実現に寄与する企業としての役割を果たしていくことを目指しています。