京都の魅力を詰め込んだ写真集『京都の意匠紅葉』
光村推古書院が新たに発表した写真集『京都の意匠紅葉』が、2024年9月12日に発売されます。本書では、著名な写真家である水野克比古氏と水野秀比古氏の手による、京都の美しい紅葉スポット133か所を厳選し、日英表記で紹介しています。京都の風景は、四季それぞれに独自の魅力を放ち、その中でも特に紅葉の季節は「錦繍」として知られる期間です。色鮮やかな赤や黄金色の葉が、古都の神社や仏閣と相まって、まさに京都ならではの風情を醸し出します。
本書は、特に神社と仏閣が織り成す紅葉の美しい構図を意識した写真が特徴で、伝統的な建築物と紅葉の見事な組み合わせが楽しめます。たとえば、額縁のように建物の中から庭を眺める構図や、朱色の神社と秋の木々とのコントラストは、見どころの一つです。
また、従来あまり知られていない穴場の紅葉スポットも取り上げられており、京北の賀茂神社など異世界に迷い込んだかのような風景を体験することができます。このような隠れた美しい場所を訪れることで、より深く京都の魅力を感じられることでしょう。
写真と解説による魅力の提供
この写真集の魅力は、ただの風景を収めたものではなく、各スポットに関する解説も充実している点です。著者が撮影した風景に関するエピソードや、社寺の歴史に触れることで、単なる観光ガイドでは味わえない深みがあります。解説は日本語と英語で書かれており、海外の方にも日本文化の素晴らしさを伝えることができるため、インバウンド観光にも貢献する一冊です。
巻末情報でさらに便利に
巻末には、掲載された133の紅葉スポットに関する詳細情報が掲載されています。拝観時間や最寄り駅などをひと目で確認できるので、実際に訪れる前の下調べにも大変便利です。京都の紅葉探訪を計画している方には、ぜひ手に取ってほしい一冊です。
著者について
この写真集の執筆者である水野克比古氏は、1941年に京都に誕生し、1969年から本格的に京都の風景や庭園の撮影を始めました。彼は「町家写真館」を開設し、京都の文化を身近に感じる場を提供しています。一方、弟の水野秀比古氏も1968年に生まれ、京都の自然や文化に深い理解をもって作品を発表し続けています。二人の情熱が詰まった『京都の意匠紅葉』は、まさに京都の紅葉を愛する全ての人々に捧げられた一冊です。
このように、京都の美しい紅葉の魅力を余すところなく表現した『京都の意匠紅葉』は、秋の訪れと共に読みたい一冊です。明治20年に創業した光村推古書院によって出版されるこの作品は、京都の伝統美を感じさせる貴重な資料になるでしょう。