カミングアウトを果たした與真司郎が語る恋愛の真実
2023年7月、AAAのメンバーとして活躍する與真司郎が、自身が同性愛者であることを公表した。この発表は単なる自己告白ではなく、アーティストとしての新たな一歩を踏み出す重要な出来事だった。彼のカミングアウトは国内外で大きな反響を呼び、アメリカの名門新聞「ニューヨーク・タイムズ」にもその影響力が取り上げられることとなった。
そんな與真司郎が、2025年4月16日にノンフィクションエッセイ『人生そんなもん』を刊行する。彼はこの本の中で、自身の過去の恋愛について赤裸々に語り、特にカミングアウト後の心境の変化や恋愛への価値観を示すエピソードを取り上げている。
恋愛初心者としての葛藤
ロサンゼルスに移住後、初めての恋愛を経験した與真司郎。彼は恋を通じて多くのことを学び、その結果として自身が成長したという。特に印象的なエピソードの一つが、初めての恋人に贈ったプレゼントに関する出来事だった。彼は日本で買ったブランド財布を贈った。しかし、恋人はその財布を開けずに、テーブルの上に放置していたのである。結果、彼は「別の物に交換したい」と告げられ、衝撃を受けた。
「使わないの?」という問いに対する恋人の回答は、合理的な一方で、彼にとっては信じられないほどショッキングだった。日本の一般常識からすると、恋人が贈り物をそのように扱うことは考えられないからだ。這い上がるべき信頼関係が、初めての恋の試練として登場したのである。
恋愛は成長の源
與真司郎はこの経験を振り返り、「恋愛はつらいことが多いが、それ以上に生きている実感を得るもの」と語る。彼は過去の恋愛が彼自身の大きな要素であることを認識しており、そのことを本書で共有したいと考えた。そのため、恋愛に関するエピソードを包み隠さず提供することを決意したのだ。
「愛される喜びと失う悲しさを知ることで、私の懐はより深くなった気がする」と彼は述べる。彼は自らの恋愛を通じて学んだことを大切にし、過去に付き合った二人との思い出を通じて成長したことに感謝の念を抱いている。
新たな一歩を踏み出す彼
2023年から再開したソロアーティスト活動に加え、彼はアメリカで自身のドキュメンタリーも制作中である。自身の人生や恋愛をテーマにすることで、より多くの人々とのつながりを持ちたいと考えている。彼のカミングアウト後のライフスタイルや思考は、間違いなく彼自身を進化させ、今後のアーティスト活動に深い影響を及ぼすだろう。
最後に、與真司郎はこのノンフィクションエッセイを通じて読者に伝えたいメッセージがある。それは、自身の過去を肯定的に捉え、恋愛を通じて得られる多くの教訓を、他の人々とも分かち合うことである。彼の言葉には、愛や人間関係における真実が詰まっている。
書籍情報
- - タイトル:『與真司郎フォトエッセイ 人生そんなもん』
- - 発行:講談社
- - 発売日:2025年4月16日(水)
- - 定価:1980円(税込)
- - 仕様:四六判/160ページ
- - ISBN13:978-4-06-538728-3
和を重んじる日本人の文化と、自由な恋愛観を持つアメリカの文化。この二つの異なる価値観の中で、與真司郎がどう成長していったのか、その核心を探る一冊をぜひ手に取ってみてほしい。