2024年第二四半期アットホーム調査から見える不動産市場のトレンド
不動産情報サービスを提供するアットホーム株式会社は、地域に密着した不動産仲介業者を対象に、全国13都道府県14エリアの居住用不動産流通市場に関する景況感調査を実施しました。これは2014年から続く定期報告で、2024年7~9月期が第43回となります。調査結果は多くの人にとって需要な情報源となっており、特に賃貸と売買の動向に注目が集まっています。
調査結果の概要
賃貸市場の動向
調査結果によると、賃貸業況DI(景況感指数)は全14エリア中10エリアで前期比での下落が見られましたが、前年同期比では10エリアでプラスの結果となりました。特に北海道では、2014年の調査開始以来、最高値を更新するという驚異的な数字を記録しました。
一方で、賃貸物件における外国人交流についても調査が行われました。その結果、今後の取引において『国籍による方針の違いはない』という意見が多数を占め、外国人賃貸取引の増加が顕著であることが分かりました。
売買市場のトレンド
売買市場については、近年の価格高騰に厳しい声があがる中、業況DIは8エリアで前年同期比プラスという結果でした。特に、北海道・宮城県・福岡県では相対的に高い数値が確認されました。
業況の厳しさにもかかわらず、この地域では企業の進出や地域開発を背景に人気が集まっています。特に北海道では半導体工場の建設、福岡県では天神ビッグバンなどの大規模プロジェクトが進行していることが追い風となっています。
地域別の特色
調査を担当したアットホームラボ株式会社の執行役員、磐前淳子氏は話します。「首都圏・近畿圏は賃貸傾向が厳しいですが、その他の地域は相対的に良好な結果が出ています。住居費が収入に対して比較的安価であることや、地域開発の進展が影響しています」
特に首都圏や近畿圏では、家賃や物件価格の上昇が市場全体に対するブレーキとなっています。しかし、その他の地域では前年の上昇幅が首都圏・近畿圏を上回ることが見込まれています。
外国人との取引
外国人との取引については、積極的に増やしていきたいという声が6割以上を占め、業界全体のポジティブなトレンドが示唆されました。国籍によるバイアスが少なく、今後のさらなる国際化が期待されています。これは、居住用不動産市場の多様化に寄与することが想定されます。
調査概要
この調査は2024年9月13日から9月24日までの期間に実施され、北海道・宮城県・首都圏(1都3県)・静岡県・愛知県・近畿圏(2府1県)・広島県・福岡県の13都道府県のアットホーム加盟店が対象です。対象は、都道府県知事免許を持ち、5年以上仲介業に従事している不動産店で、有効回答数は1,800件に及びます。
本調査の結果は、今後の不動産市場を見据える上で極めて重要な情報となることでしょう。詳しい内容は、アットホームの公式サイトからPDF形式で確認できます。興味のある方は、ぜひ一度目を通してみてはいかがでしょうか。