アクゾノーベル、中国における生産能力の拡大
オランダの化学大手であるアクゾノーベルは、今後2年間にわたり中国の寧波工場で有機過酸化物の生産能力を大幅に向上させる計画を発表しました。この決定は、アクゾノーベルのスペシャルティ・ケミカル部門によるもので、同工場ではポリマー製造に使用される架橋剤の一種であるDCPパーオキサイト(ジーα-クミルパーオキサイド)が生産されています。
現在、寧波工場では既存の生産能力を40%拡大するための工事が進行中で、2023年8月中旬にはこの作業が完了すると見込まれています。さらに、アクゾノーベルは従来の生産能力を倍増させるための大規模な拡張計画も検討中です。この取り組みは、世界中のお客様の需要に応えるための戦略的選択となっています。
市場の成長に対応
アクゾノーベルのポリマー・ケミストリー事業担当のマネージングディレクター、ヨハン・ランドフォース氏は「私たちの製品への需要は急速に増えています。拡張した生産施設は、お客様のニーズに応えるための重要な一歩です。これにより、市場のシェアを拡大し、世界最大の有機過酸化物生産者としての地位を強化することが期待されます」と語っています。
DCPは、その優れた耐久性から様々なポリマーの生産に不可欠な素材であり、特に靴底などの製品に多く利用されています。さらに、再生可能エネルギーの分野でもDCPの需要は増えており、洋上風力発電や高圧ケーブルの絶縁用ポリマーにも使用されています。
長期的なコミットメント
アクゾノーベルのスペシャリティ・ケミカルズ事業部門のエグゼクティブコミッティメンバー、ティエリー・ファンランカー氏は「私たちはお客様に対するコミットメントを持ち続け、リーダーとしての地位を維持するために努力します。信頼性の高い供給を実現し、お客様の事業成長を支えるために継続的に投資を行っていきます」と述べています。
寧波DCP工場は2016年に操業を開始して以来、急速に成長を遂げており、今やこの領域における世界最大の生産拠点となっています。工場には約500名の従業員が在籍し、アクゾノーベルの様々な事業が展開されています。
加えて、アクゾノーベルは中国天津でも新たな有機過酸化物工場の建設を進めており、中国国内での事業展開を強化しています。これにより、業界全体に対する長期的なコミットメントをさらに推進していくことが期待されます。
アクゾノーベルとは
アクゾノーベルは、世界80か国で約45,000人の社員を有し、塗料やコーティング剤、スペシャルティ・ケミカル製品を提供している企業です。その革新的な製品は、日常生活を豊かにし、さまざまな産業界にとって欠かせない存在となっています。アクゾノーベルは、サステナブルなリーダーシップを発揮しつつ、より良い世界を作り出すことを目指して事業を進めています。
詳しい情報は、
アクゾノーベルのウェブサイトをご覧ください。