2024年6月、企業倒産は807件、26カ月連続で前年超え - 中小企業を中心に厳しい状況が続く
帝国データバンクが発表した2024年6月の企業倒産件数は807件で、26カ月連続で前年同月を上回り、6月としては過去10年で最多となりました。コロナ禍初期の2020年6月以来の数字です。
負債総額は1079億1800万円で、前年同月比12.4%減と4カ月連続で減少しました。しかし、倒産件数が依然として増加していることから、中小企業を中心に厳しい経営状況が続いていることがわかります。
サービス業の倒産が急増 - 専門サービスの増加が目立つ
業種別に見ると、7業種中3業種で前年同月を上回りました。特にサービス業の倒産件数は、2000年以降初めて4カ月連続で200件を超えました。
サービス業の中でも、経営コンサルタントなど専門サービスの倒産が大幅に増加しています。これは、コロナ禍以降、企業の経営環境が変化し、コンサルタントの需要が高まった一方で、競争も激化していることが要因と考えられます。
不況型倒産が661件、26カ月連続で前年超え - 販売不振が主な原因
倒産主因別に見ると、「販売不振」が650件で全体の80.5%を占め、26カ月連続で前年同月を上回りました。
これは、消費者の購買意欲が低迷していることや、原材料価格の上昇によるコスト増加など、様々な要因が複合的に影響していると考えられます。
規模別では、資本金1000万円未満の企業の倒産が目立つ - 中小零細企業が厳しい状況
資本金規模別では、資本金1000万円未満の企業の倒産が585件で全体の72.5%を占め、過去2番目の規模となりました。中小零細企業を中心に厳しい経営状況が続いていることがわかります。
地域別では、北海道と北陸で増加率が大きい - 地域格差も顕著
地域別に見ると、9地域中5地域で前年同月を上回りました。最も増加率が高かったのは北海道で、前年同月比75.0%増となりました。次いで北陸が前年同月比23.8%増と、どちらも高い増加率となっています。
このように、地域によって倒産件数の増加率にばらつきがあることから、地域格差も顕著になっていることがわかります。
今後も企業倒産の増加が懸念される - 政府の支援策が必要
帝国データバンクでは、今後とも企業倒産の増加が懸念されるとの見方を示しています。
中小企業の経営環境は依然として厳しい状況が続いているため、政府による支援策が求められます。