5か国における男女差と計算力の実態
公益財団法人スプリックス教育財団が2025年に実施した「基礎学力と学習の意識に関する保護者・子ども国際調査2025」の初報告が注目を集めています。この調査では、計算力や計算に対する意識に男女差が存在するのかを、アメリカ、イギリス、フランス、南アフリカ、中国の5か国を対象に探りました。調査の結果、男女差に関する興味深い発見がありました。
調査結果のポイント
1. 計算テスト結果の検証
調査対象となった10のグループのうち、8グループで男女差が顕著に見られないことが分かりました。特に、小学4年生向けのテストではイギリスの男子が7.4ポイント高い得点を記録した一方で、中学2年生ではフランスの男子が5.8ポイント高い結果を見せました。その他のグループでは、統計的に有意な男女差は確認されませんでした。
2. 「実力」と「意識」のギャップ
また、6つのグループでは計算力において男女差がないにも関わらず、意識の面では男子が「計算が好き」とする意識が高いというケースも見受けられました。アメリカでは、小学4年生において男子の意識が有意に高いことが明らかになったのです。このことは、計算力そのものは同等でも、子どもたちの心理的側面には差が存在することを示唆しています。
3. TIMSSとの違い
国際数学・理科教育動向調査(TIMSS)と比較しても、南アフリカでは特異な結果が得られました。TIMSSでの女子優位説とは裏腹に、本調査における数学テストでは男女差は見られなかったのです。この違いは、サンプルが優れた教育環境にいる子どもたちから成り立っているためです。
調査方法
この調査は、2025年4月から6月にかけて、各国からランダムに選ばれた小学4年生と中学2年生、総計で1,500名を対象に実施されました。計算問題は32問、男女ともに同数のサンプルが集められたことで、偏りのないデータ分析が可能になっています。感情面に関しても、子どもたちが計算に対してどのように感じているかを5段階評価で尋ねました。
まとめ
調査の結果、計算力における男女差は多くの国で顕著ではなかったものの、意識面での違いは非常に興味深いものでした。今後、さらなる詳細な調査を行うことで、男女差の実態をより深く理解することが期待されます。これらの知見をもとに、教育の現場での役立つ施策が期待されます。
公益財団法人スプリックス教育財団は、教育支援のための奨学金支給を行うほか、教育に関する研究を充実させることを目指しています。今後も、子どもの教育環境改善に向けた取り組みを続けてまいります。