フラバノールと記憶力
2025-10-31 14:27:53

新たな記憶力向上の鍵、フラバノールの脳への影響を解明

フラバノールがもたらす驚くべき脳の活性化



最近の研究によると、赤ワインやチョコレートに含まれる「フラバノール」が脳に与える影響が明らかになりました。芝浦工業大学のシステム理工学部、越阪部奈緒美教授を中心とする研究グループは、フラバノールの渋みが脳の記憶や覚醒に関連する神経系を即座に刺激することを実証しました。

フラバノールの新たな脳作用メカニズム



これまで、食品成分が脳に影響を与えるためには、消化・吸収され血中に入る必要があると考えられていました。しかし、フラバノールは生体利用率が極めて低く、通常のモデルでは脳への作用を説明しきれませんでした。この研究では、マウスにフラバノールを一度投与したところ、青斑核を中心とするノルアドレナリン神経系がすぐに活性化し、運動量や短期記憶の向上が確認されました。さらに、脳内のノルアドレナリンやドーパミンの増加も観察されています。

食品の味覚と脳への影響



フラバノールの「渋み」に注目したこの研究では、口腔や腸の神経を通じて脳に信号が送られる可能性が示唆されています。これにより、記憶力や覚醒状態の向上、ストレス応答の活性化が確認されました。これは食品の味や感覚が脳や自律神経に直接影響を与えるという新しい見解を提供します。

感覚栄養学の発展に寄与



今回の成果は、食品の「味」や「感覚」がもたらす脳への影響が、今後の感覚栄養学の分野に貢献することが期待されます。味や食感を生かした機能性食品の開発や、認知機能やストレスケアを目的とした食事設計の研究が進むことで、健康維持や増進が図られるでしょう。

論文情報


この研究成果は、『Current Research in Food Science』に掲載される予定で、今後の食品業界において、フラバノールなどのポリフェノールの活用が広がることが期待されます。著者には、芝浦工業大学の奥深さを持つ多様な研究者たちが名を連ねています。

まとめ


赤ワインやチョコレートの渋み、そしてそれらに含まれるフラバノールが、私たちの記憶力と脳の覚醒に関わる役割を果たすことが明らかになりました。この研究が健康食品や感覚栄養学の飛躍的な発展に寄与することを大いに期待したいと思います。

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