「凍眠」による生酒の劣化防止が明らかに
富山県高岡市に本社を置く株式会社TOMIN SAKE COMPANYは、同社のグループ会社であるテクニカンが開発した液体冷凍技術「凍眠」を活用し、生酒の品質劣化を防ぐ効果を確認しました。この研究では、冷凍保存によって生酒特有の劣化臭「生老香」がどう変化するのかが焦点となりました。
生酒の劣化臭について
生酒は搾りたてのおいしさが特徴ですが、保存中に「生老香」と呼ばれる劣化臭が発生しやすく、この成分の一つがイソバレルアルデヒドです。これは、酒造りの過程で自然に生成されるものであり、長期間の保存において致命的な要因となる場合があります。特に、冷蔵保存での劣化は多くの酒愛好者にとって悩みの種です。
研究方法と結果
今回の研究には、「南部美人スーパーフローズン瞬間冷凍純米大吟醸生原酒」と「南部美人スーパーフローズン瞬間冷凍特別純米生酒」といった既に商品化されている生酒が使用されました。これらを冷蔵と凍眠の2つの方法で保存し、6か月後のイソバレルアルデヒドの濃度を比較しました。その結果、冷蔵保存に比べ、凍眠技術を使用した場合、イソバレルアルデヒドの濃度は1/4から1/5に抑えられたことが確認されました。
特に純米大吟醸の凍眠生酒は6か月後の分析でも感知限界以下の濃度を維持しており、一般的には劣化臭として認識されることがないことが明らかとなりました。この結果は、凍眠が生酒の鮮度を長期間保つための有効な手段であることを証明しています。
今後の展望
「凍眠」の技術によって、搾りたての生酒がいつでも楽しむことができる可能性が示されました。株式会社TOMIN SAKE COMPANYは、今後も凍眠技術を駆使し、生酒のさらなる品質向上に努める方針です。既存の劣化防止に加え、未知の鮮度保持効果を探求し、酒愛好者にとっての新たな価値を提供します。
さらなる情報と連絡先
凍眠技術は、テクニカンが開発した独自の液体凍結機によって実現しています。この機械は-30℃の不凍液を使用し、食材を従来の凍結方法よりも圧倒的に速く凍結します。その様子は以下のリンクからも確認できます。
凍眠技術の紹介
TOMIN SAKE COMPANYへの問い合わせは、以下の情報までお願いします。
担当者:松井
電話:富山県高岡市美幸町1-2-22
公式サイト
メールアドレス:
[email protected]