2023年3月11日、東京都港区に本社を構えるAIデータ株式会社が「AIエージェント×AXフォーラム ~コンテンツ~」を開催しました。このフォーラムでは、日本のコンテンツ産業におけるAIの利活用とデジタルトランスフォーメーション(DX)推進がテーマとなり、参加者は国内外から集まりました。
セッション1: 日本のIPを“外貨を稼ぐ国家資産”に変える
主催者であるAIデータ社の代表、佐々木隆仁氏は、日本が持つコンテンツ産業のIP創出力を活かしきれていない現状を指摘しました。ヒット作品は生まれているものの、制作と収益、データと知的財産の分断により、十分な価値回収ができていないと課題を指摘し、これに対する解決策として「AI孔明 on IDX」と「Tokkyo.Ai」を利用した2層戦略を提案しました。このアプローチにより、上位層として勝てるIPを選定し、下位層でその価値を最大化するといった構想です。これにより、日本の産業を「勘と経験」から「データと知財」に基づいた知能産業へと変革していく必要性が強調されました。
セッション2: ロケーションベースVRの紹介
続いて、ダイナモアミューズメントの小川直樹社長が、ロケーションベースのVR事業における成功事例を紹介しました。彼は、技術の導入だけでなく、体験設計や運営ノウハウが重要であると説明し、来場者への没入体験の最大化に向けた取り組みが新たな価値を生むことを示しました。また、エンターテインメントにおける収益モデルとしての可能性も議論され、VRを通じたコンテンツ体験の方向性が共有されました。
セッション3: IP収益最大化の実装
AIデータ社の取締役CTO、志田大輔氏が登壇し、AI ContentsPro on IDXを用いたIP収益最大化の実績を紹介しました。製作の効率を上げ、ライセンス収益の最大化、IPデータの管理といった新しいビジネスモデルの重要性が提起され、従来の「IPを作る」中心から「IPを回し切る」運用への転換が求められました。これにより、現場の改革が進む期待が寄せられています。
セッション4: Gamificationが持つ力
セガの矢口岳史氏は、エンターテインメントの本質的な力について講演し、ゲーミフィケーションの概念を様々な分野に応用することで、ユーザーを行動させる可能性について語りました。マーケティングや教育、サービス設計など多岐にわたる活用法が提示され、体験価値設計の重要性が強調されました。
セッション5: 講談社のマンガIPビジネス
講談社の岩切秀一氏は、マンガIPのビジネス展開について解説し、国内外でのライセンスやメディアミックスの戦略が如何にIPの価値を高まるかを述べました。また、生成AIの影響がIPビジネスに与える作用にも触れ、持続可能なビジネスモデルの必要性が語られました。
セッション6: アニメ制作におけるAIの現状
DLEの小野亮氏は、アニメ制作の業界におき、AIの活用がまだ充分とは言えないとの見解を示しました。表現や演出においては人の感性が重要であり、それに対するAIの適用可能性についても言及し、クリエイティビティとテクノロジーのバランスを取る必要性を説きました。
アフタートーク
最後に、特別セッションで登壇者全員が参加し、AI活用やIP戦略への多角的な見解が交わされました。データや知財をどのように統合し、最大限に活用するかが議論され、業界全体の課題やチャンスが明らかになりました。これらの議論を通じて、AIの役割やコンテンツビジネスにおける戦略の新たな可能性が広がることでしょう。
次回のフォーラムは4月17日に「マテリアル」をテーマに開催される予定で、引き続き多くの注目が集まっています。