haccobaが実現した新たな酒づくりのかたち
福島県南相馬市の日本酒スタートアップ「haccoba -Craft Sake Brewery-」は、2021年に設立され、地域の特性を活かした酒づくりに取り組んでいます。最近、その看板商品「水を編む」シリーズが2025年日本パッケージデザイン大賞で銀賞を受賞。約1,000点の中から選ばれるこの賞は、デザインの専門家が評価を行い、パッケージデザインの創造性や社会的価値を称えます。
「水を編む」シリーズの理念
このシリーズは、地元の米農家の技術や情熱を最大限に引き出し、その個性をお酒を通して表現することを目的としています。お酒そのものが、その土地の文化やストーリーを語るメディアとなるのです。
そのため、田んぼごとの個性をリアルに感じられる製法と、デザインは田んぼの豊かさや美しさを伝えるものとなっています。
ラベルのデザインもユニークで、第一枚目のラベルには田んぼの様子が描かれ、めくると詩人・菅原敏氏が書き下ろした詩が現れます。お酒の味わいと詩の余韻を同時に楽しめる仕掛けになっています。
haccobaの酒づくりにこめた思い
「酒づくりをもっと自由に」という思いから、haccobaではかつてのどぶろく文化を現代的に再現しています。これまでの日本酒の枠にとらわれず、様々な原料を用いた多様な味わいのお酒を生み出すことに挑戦しています。日本在来のホップ「唐花草」をお米とともに発酵させる伝統製法 “花酛” の復活や、現代のクラフトビールの技法を取り入れた「はなうたホップス」は、その代表作。
地域の農家との連携も重要な要素です。根本有機農園やアグリロード、あいアグリといった農家の方々と共に、お米づくりから酒づくりまでのプロセスを共有し、地域全体で支える体制を築いています。
受賞の背景
日本パッケージデザイン大賞は、1985年から開催され、パッケージデザインの向上を目指してきました。haccobaの受賞は、スタートアップとして限られた予算と時間の中で実現した成果であると、代表の佐藤太亮氏も喜びを表しています。「私たちのパッケージが、これほどの賞をいただくことができたのは、すべての仲間や関係者のおかげです」と、感謝の言葉を投げかけています。
未来に向けた展望
haccobaは今後も「垣根を超えた酒づくりで、日本酒のフロンティアを切り拓く」ことを目指し、地域との協力関係を大切にしながら活動を続けていく予定です。また、今後は新たな商品開発にも取り組むなかで、より多くの人々に福島の魅力を伝えていくことを目指しています。
地域の特性を育て、自由な酒づくりを続けるhaccobaの挑戦に、今後も注目です。
公式サイトでは、酒のオンライン購入ができるほか、最新情報も更新されていますので、ぜひチェックしてください。