子どものスマートフォン利用に関する調査結果
LINEヤフー株式会社が行った「子どものスマートフォン利用と家庭内のセキュリティ意識に関する調査」で、全国の保護者1,052名を対象に実施されたアンケート結果が発表されました。この調査では、子どものスマートフォンの利用が日常化する一方、約半数の家庭において安全利用に関するルールが未設定である実態が浮き彫りになりました。
スマートフォン所有率の上昇
こども家庭庁が実施した「令和5年度 青少年のインターネット利用環境実態調査」によれば、小学生(10歳以上)のスマートフォン保有率は70.4%、中学生93.0%、高校生に至っては99.3%に達しています。このデータから、スマートフォンが子どもたちの日常生活において非常に重要なツールとなっていることが分かります。ただし、このように普及している一方で、子どもがインターネットを利用する環境には、家庭外での活用も多く、保護者による目の届かない場面が増えていることも懸念されています。
トラブル・ヒヤリ経験の実態
調査によると、28.4%の保護者が、過去1年間に子どもがインターネットでトラブルに遭ったりヒヤリとした経験があると答えました。具体的には、無断で知らない人とコミュニケーションをとっていた場合が11.0%、不審なURLを開いてしまったり、個人情報を入力したことがあるというケースが6.6%と多くありました。これらの結果から、子どもが保護者の想定を超えた方法でインターネットを利用している状況が明らかです。
安全利用のルールが未設定
さらに調査では、子どもがインターネットやスマートフォンを安全に利用するためのルールを「決めていない」または「あまり決めていない」と答えた保護者が48.1%に上りました。多くの家庭が、ルールの設定なしで子どもが自由にスマートフォンを利用する状況が確認されており、家庭全体での認識を強化する必要性が高まっています。
教育やアドバイスの実施
子どものスマートフォン利用に対して、教育やアドバイスを行っていると回答した保護者は60.9%である一方、39.1%は「特にしていない」又は「ほとんどしていない」と答えています。このことから、家庭内での教育の重要性とともに、その実施に対するばらつきが浮かび上がります。子どもが安全にインターネットを利用するためには、保護者が主体的に教育に関与することが求められます。
設定の確認状況
また、子どもが使うスマートフォンやアプリの設定の定期的な確認を行っている保護者は33.2%に留まり、47.4%は「まったく確認していない」または「ほとんど確認していない」と回答しています。特に長期休みなど、スマートフォンを多く利用する時期には、設定に対する注意が必要です。
重視されるルールとのギャップ
家庭内で重視されるルールとしては、利用時間や課金の制限が挙げられますが、保護者の想定と子どもの実際の使い方には大きなギャップがあります。これが、適切な見守りを難しくする要因となっていることが再認識されます。
安全なインターネット利用のために
LINEヤフーでは、安心・安全なインターネット利用を促進するため、保護者向けにさまざまな情報を発信しています。Yahoo!きっずやLINE Safety Centerでは、子どもたちがインターネットで安全に活動するためのルールや注意点を解説しています。親子で一緒に安全な使い方を考え、インターネット社会でのリスクに対処する力を養うことが重要です。
結論
調査結果から明らかなように、子どもがスマートフォンやインターネットを安全に利用するためには、家庭内でのルール設定や教育の取り組みを強化する必要があります。保護者の意識向上と共に、子どもたちが安心してインターネットを活用できる環境を整えることが求められています。