中野区が進める避難所開設支援アプリ「N-HOPS」の実証実験

2025年9月13日、中野区で避難所開設支援アプリ「N-HOPS」を活用した実証実験が行われました。この実験は、災害時の避難所のスムーズな運営を支援するために、東京都中野区の協力のもと、能美防災株式会社が主催しました。

実証実験の概要

今回の実証実験には、中野区明和中学校区内の地域防災会に参加する住民たちが関わりました。彼らは3つのグループに分かれ、各グループが6～8名で構成され、災害発生を想定した避難所の開設作業を体験しました。具体的には、避難所の施設点検や受付設置、利用スペースの整備といった一連のプロセスを、明和中学校の図面を基に行いました。

参加者は「N-HOPS」に表示されるナビゲーションに従い、必要な備品の移動やスペースの用途を自ら記入しました。この模擬体験では、アプリが提供する指示に従い、実際に避難所を開設する準備を進めました。

従来の訓練が資料の読み合わせや施設見学、資機材の展示に偏っていたのに対し、N-HOPSを利用することで、参加者はより主体的かつ実践的に避難所開設方法を学ぶことができました。

参加者の声

参加者からは、「手順がわかりやすい。気が動転していても指示があれば開設行動を取れる。」や、「避難所を開設する際の手順が具体的で理解しやすい。」といった高評価の声が上がりました。また、事後のアンケートでは「N-HOPS」がない状態と比較して、「ある状態」では避難所開設に対する自信度が平均約2.6ポイント向上したとの結果が出ました。

中野区防災危機管理課の評価

中野区防災危機管理課の山本さんは、「中野区では震災時の避難所運営を住民が担うことが大切です。N-HOPSを使うことで、実際の図面や写真を確認しながら開設作業が進められるため、従来の訓練よりも記憶に残りやすい」とコメントしました。また、平時から多くの住民が避難所運営手順にアクセスできることが、地域の防災力を高める上で重要なツールになると評価しています。

今後の展望

能美防災は、この実証実験で得られたフィードバックを基に、N-HOPSのさらなる改良を進める方針です。中野区との連携はもちろん、全国の自治体との協力を拡大し、より多くの自治体での実証実験を考えています。関心のある自治体はぜひ、能美防災に問い合わせてみてください。彼らの取り組みは、地域の安全を確保するための大きな一歩となるかもしれません。