ヒューマンライフコードがHLC-MENAを設立
ヒューマンライフコード株式会社(以下「HLC」)は、UAEにおける再生医療の拠点設立に向けて、Hayat Capital Limitedとの基本合意書(MOU)を締結しました。この合弁会社はHuman Life CORD MENA Ltd.(略称:HLC-MENA)と名付けられ、2025年に設立予定です。この協力により、先進的な細胞治療のエコシステムをMENA地域に広げることを目指しています。
提携の背景
MENA地域、とりわけUAEでは生活習慣病が深刻な問題となっており、特に肥満に起因する合併症が増加しています。そのため、健康寿命の延伸に向けた新しい医療手段として細胞治療が注目されています。中でも、間葉系間質細胞(MSC)は抗炎症作用や組織修復能力を持ち、慢性疾患の管理に有用とされています。
臍帯由来のMSCは廃棄される臍帯を原材料とするため、持続可能な供給源が確保できることから、医療分野での適用が有望とされています。実際、今回の提携もHLCの技術とHayat Capitalが持つ地域ネットワークの融合によって促されたものです。
HLC-MENAのビジョン
HLC-MENAは、HLCが培ってきた日本発の細胞治療のノウハウをMENA地域に提供し、地域住民が利用できる身近な治療選択肢となることを目指します。具体的には、臍帯由来MSCを活用した研究開発や製品の製造・普及に取り組むことで、新たな医療の可能性を広げ、持続可能な健康基盤の構築を目指します。
国家戦略との連携
この取り組みは、UAEの「シックケア」から「ヘルスケア」へのシフトとも連動しています。国家が推進する「エミレーツ・ゲノム・プロジェクト」では、AIとゲノム医学に基づいた個別化医療と予防医療の整備が進められており、HLC-MENAはこれに貢献する形です。
代表者のコメント
ヒューマンライフコードの社長である原田雅充氏は「このMOUはグローバル戦略における重要な一歩であり、UAEは私たちにとって志を共にするパートナーだ」と述べ、東京・ニューヨーク・アブダビの三極体制によるエコシステムの構築を進めていく考えを示しました。
Hayat CapitalのDr. Mohamed Amin氏も、この取り組みがサウジアラビアとUAEの国家ビジョンに合致し、地域に新しい希望をもたらすことを強調しています。
ヒューマンライフコードとは
ヒューマンライフコードは、細胞製品の製造・開発を行い、難病患者の希望をつなげることで健康寿命の延伸を目指しています。数々の受賞歴もあり、医療の未来を見据えた取り組みが評価されています。
Hayat Capitalの役割
Hayat Capitalは、MENA地域の医療、通信、建設などの事業を展開する企業の一部で、特にヘルスケアに強みを発揮しています。今回の提携を通じて、地域の持続可能な成長に貢献することを目指しています。
HLC-MENAの設立は、医療分野における新たな可能性を広げ、地域の医療インフラ強化に寄与する重要な一歩となります。