熊本県立水俣高等学校で全国初の半導体情報科が設立
熊本県立水俣高等学校に新たに開設される「半導体情報科」に向けて、2025年度から導入される教育プログラムの一環として、半導体実技研修が2023年9月9日に熊本テクノセンターで実施されました。この研修は、全国で初めての試みであり、最前線の半導体業界に備えた学びを提供するための第一歩となります。
実技研修の内容
今回の研修では、水俣高等学校 電気建築システム科の生徒22人が参加しました。研修のスタート地点である熊本テクノセンターの遠山センター長が、半導体業界の動向や役割について丁寧に説明しました。参加者は、実際の研修設備を視察し、半導体製造業務の基礎となる装置の維持管理に関して学ぶ機会を得ました。
実技研修はグループ別に分かれ、二つの主要な活動が行われました。一つ目は半導体装置のメンテナンス実習で、装置の維持管理に必要な技術を実践的に学びました。もう一つは、トランジスタを使った自動点灯回路の組み立て実習で、生徒たちは説明に従いながら協力し合い、挑戦を乗り越えて回路を完成させることができました。前向きなコミュニケーションが生まれ、仲間との連帯感も強化されたことでしょう。
参加生徒の反応
実技研修を受けた生徒たちからは、半導体業界が要求するスキルや深さを感じ取る貴重な経験となったという感想が寄せられました。「授業で学んだ知識はあったが、実技を通じてその難しさを実感しました」と語る生徒もいれば、「半導体の仕事に興味を持つきっかけになった」と将来の進路への期待を示す声もありました。
新たな試みと産学連携の重要性
日研トータルソーシングは、半導体人材育成への取り組みとして、熊本テクノセンターを半導体教育に特化した施設へと拡張し、実践的な内容での研修を行っています。半導体業界の急速な進化に対応するため、民間企業と学校が連携し、必要とされる人材を育成することが重要です。
今後もこのような研修を通じ、熊本県内の半導体関連企業のニーズに応える人材を育成し、地域活性化に貢献していくことが期待されます。2023年11月から2024年1月にかけては、他の高校生のための企業訪問やエンジニア派遣実習も予定されており、これからの取り組みにも目が離せません。
日研トータルソーシングの役割
日研トータルソーシングは、1981年に創立され、総合人材サービスを提供しています。「人的資本創造企業」として、業種や職域の壁を超えて働く人の可能性を引き出す役割を担っています。今後も、半導体産業の発展に寄与するため、教育・研修を通じて人材育成に力を入れていくことでしょう。
教育に対する取り組みが地域と企業をつなぎ、半導体業界の未来を切り開く重要なステップとなることが期待されています。生徒たちにとって、この研修経験が今後の学びやキャリア形成において大きな刺激となることでしょう。