レイセオンの新レーダー試験
2019-04-17 13:00:37
レイセオン、次世代対空捜索レーダーの実射試験を開始
レイセオン、次世代レーダー「EASR」の実射試験を開始
レイセオン社が開発した新たなエンタープライズ対空捜索レーダー(EASR)が、バージニア州のワロップス島試験場で実射試験に突入しました。このレーダーは航空母艦や揚陸艦に搭載され、対空・対艦戦闘、電子防御、航空管制の機能を同時に提供できるよう設計されています。
EASRの背景と特長
EASRは、米海軍のニミッツ級航空母艦やF-35Bが搭載される強襲揚陸艦用に作られたAN/SPY-6(V)2と、フォード級航空母艦や次世代FFG(X)誘導ミサイルフリゲート艦用のAN/SPY-6(V)3の二種類がある草分け的な存在です。これにより、米海軍の艦隊全体に新たなセンサー能力がもたらされることが期待されています。
実射試験の概要
マサチューセッツ州にあるレイセオン社の近距離試験施設で、EASRのサブシステム試験が無事に完了した後、試験装置はワロップス島に移送され、設置されました。そして、2019年末までには様々な航空機を追跡するシステム・レベル試験が行われる予定です。
米海軍の海上センサーのプログラム・マネージャーであるジェーソン・ホール大佐は、「EASRはわずか一年足らずで試験に移行し、その成功を収めたことは注目に値します。AN/SPY-6(V)1のために構築された拡張可能なブロック構造が、このプロジェクトの迅速な進行を支えました。」と述べています。
モジュラー設計の利点
EASRはレーダー・モジュラー・アセンブリー(RMA)技術を採用しており、自己完結型のレーダーがそれぞれ2フィート立方のケースに納められています。これらのユニットは任務に応じた大きさのアレイに統合でき、様々な目的に応じた運用が可能です。さらに、EASRには航空管制や気象対応機能も搭載される予定です。これにより、多彩な任務に対処できる能力が付与されます。
今後の展望
2019年の第四半期にはEASRのシステム・レベル試験が完了し、設計・開発段階から製造段階へと進行します。特に、アメリカ級強襲揚陸艦LHA-8向けのAN/SPY-6(V)2については、2021年の初めに納入を目指して進行中です。レイセオン社の強固な技術力と経験があればこそ、これらの取り組みはスムーズに進展しています。
レイセオン社について
レイセオン社は、防衛や民間、サイバー・セキュリティー向けのソリューションを提供する企業で、2018年の売上高は270億ドルを超え、従業員数は67,000人にも上ります。長年のイノベーションの歴史を背景に、世界80カ国以上のお客様に最新技術の電子ミッションシステムを提供しており、今後もさらに発展が期待されています。
会社情報
- 会社名
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RTX Corporation
- 住所
- 870 Winter Street Waltham, MA
- 電話番号
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