Jamfが米Identity Automation社を買収しセキュリティを強化
Jamfが米Identity Automation社を買収
企業や組織におけるApple製品の管理を手掛けるJamfは、米Identity Automation社の買収を決定したと発表しました。これにより、Jamfのエンドポイント管理とセキュリティソリューションに新たに動的なロールベースアクセス管理機能が追加されます。Identity Automationは、主に教育や医療などの業界向けに、効果的なIDおよびアクセス管理(IAM)プラットフォームを提供しており、特に役割が頻繁に変わる環境において、その真価を発揮します。
買収の背景
この買収により、JamfはIDおよびデバイスのアクセスを統合した独自ソリューションを提供し、よりセキュアなデバイスとアプリケーションの利用を実現します。教育機関のように役割やアクセス権が頻繁に変更される環境では、動的ID管理が重要です。例えば、初等・中等教育機関では、教員や生徒の役割がクラスや学年によってしばしば変わるため、従来の静的な管理方法では対応が難しいのです。Identity Automationのプラットフォームは、こうした変動が激しい要素に迅速かつ柔軟に対応します。
ワークフローの自動化による利点
JamfのCEO、John Strosahl氏は、Identity Automationの機能との統合がもたらすメリットを強調し、迅速で動的なリソースアクセスが生産性向上につながると述べています。煩雑なオンボーディングプロセスを簡素化し、デバイスを手に取った瞬間からユーザーが生産的に業務を行えるようにすることで、従業員の効率を高める狙いがあります。
Identity Automationの提供する「RapidIdentity」は、エンドツーエンドのライフサイクル管理を実現し、リアルタイムでの役割変更に基づくプロビジョニングやアクセス権限の管理を自動化します。これにより、IT関連の負担を軽減しつつ、ユーザーエクスペリエンスを向上させることが期待されています。
セキュリティとユーザーエクスペリエンスの両立
Identity AutomationのCEO、Jim Harold氏は、デジタル学習環境におけるセキュリティの重要性を強調しました。適切なアクセス権管理とデータ保護が求められる中、シンプルで使いやすいインターフェースが求められています。テクノロジーは学習の妨げになってはいけません。したがって、両社は協力して、デジタルIDを活用し、他の業界へのサービス展開を進めていく意向です。
パートナーシップの可能性
Identity Automationの誕生以来、同社は多様なソリューションと連携しながら、柔軟なID管理を提供しています。デジタル学習に特化していることから、教育機関だけでなく、医療や小売、航空業界など多様な分野においても利用が期待されます。
Jamfは今回の買収によって、企業とユーザーの双方から信頼されるセキュリティ対策を一層強化し、Apple製品を安全に運用するためのさらなる基盤を築くことが目指されています。将来的には、ユーザーのニーズに応じたカスタマイズが可能なソリューションの提供に向けて、両社の連携が期待されます。
買収契約の詳細
本買収契約は現金約2億1500万ドルで、2025年度の第2四半期末までに完了する見込みです。この売買契約には、複数の専門家が関与しており、Jamfは法律事務所Kirkland & Ellis LLPを顧問に、Identity Automationはマッコーリー・キャピタルとMcDermott Will & Emery LLPを顧問に迎えています。
JamfとIdentity Automationの目指すもの
Jamfは世界で初めて、Apple製品の管理とセキュリティソリューションを統合した唯一の企業です。また、Identity Automationは教育機関向けに高い評価を受けたIAMソリューションの提供を続けています。この協業を通じて、さらなるイノベーションと高品質なサービスを確保していくことでしょう。今後も注目が集まる両社の動きに期待が高まります。
会社情報
- 会社名
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Jamf Japan 合同会社
- 住所
- 東京都港区虎ノ門4丁目1番1神谷町トラストタワー25階
- 電話番号
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050-1790-2200