新しい試みがもたらす効果
エン・ジャパン株式会社が提供する定着・活躍支援ツール『HR OnBoard』は、大成建設株式会社において導入され、驚くべき成果を上げています。大成建設はこのツールを通じて、特に事務系職員を対象にした施策を実施し、なんと離職率ゼロを達成しました。この成果は、企業が抱える離職の問題に向き合う新たな手法として注目されています。
ツール導入の背景
2023年に創業150周年を迎えた大成建設は、近年の厳しい経済環境に対応しつつ、同社が掲げる中長期ビジョン【TAISEI VISION 2030】の達成に向けた取り組みを強化しています。今回の『HR OnBoard』の導入も、その一環として位置付けられています。これまでの人材育成制度を刷新し、従業員の声に耳を傾ける仕組みを構築した結果、離職率の改善に成功しました。
新しいアプローチ
『HR OnBoard』は、従業員が入社後1年間の間、毎月3問の質問に対しオリジナルのスタンプで回答する形式です。この仕組みにより、従業員のコンディションが一目でわかるようになり、「晴れ・くもり・雨」の3段階で可視化されます。これにより、離職リスクの早期発見や具体的な対策が可能になりました。月1回のアンケートを通じて社員の状態が自動で反映されるため、迅速なフォローが行えるのです。
成果の詳細
大成建設では、このツールを使用することで、離職の兆候を事前に発見し、適切なサポートを行うことができました。特に若手社員の離職率は8%から3.5%に減少し、若手社員の成長実感やエンゲージメントの向上にも寄与しています。これに対して、管理部門の田中康夫氏は「HR OnBoardの導入により、社員の成長実感を向上させることができた」と、その効果を強調しています。
未来に向けて
大成建設は今後も、『HR OnBoard』を積極的に活用し、メンター制度やコミュニケーションの活性化に取り組む意向を示しています。2025年4月からは入社1年目の社員全員への導入が決まり、さらなる効果が期待されています。これにより、組織全体の生産性向上や人材育成につながることが期待されています。
大成建設の取り組みは、今後の企業における離職問題への新たな解決策となる可能性を秘めています。彼らの成功事例は、他の企業にとっても参考になるでしょう。人材に投資を行うことで、企業自体の成長に結びつくことが実証されたのです。これからの業界においても、革新的なアプローチが求められる中、大成建設の取り組みは未来に向けた重要なステップとなるでしょう。