ロート製薬、共同研究の成果で特別賞を受賞
ロート製薬株式会社と他の4社が共同で取り組んだ皮膚刺激性試験に関する研究が、先日開催された日本動物実験代替法学会で特別賞を受賞しました。これは化粧品業界における動物実験の代替手法として重要な意義を持つ成果です。
受賞の背景と研究の目的
今回はロート製薬が、小林製薬、サンスターグループ、TOA株式会社、マンダム、ジャパン・ティッシュエンジニアリング(J-TEC)とともに、皮膚刺激性評価の新たな手法について研究を行いました。公式ガイダンスが示す通り、医薬部外品や化粧品成分の評価には、皮膚刺激性リスクがほぼない物質が求められています。しかし、我々の目的はその評価基準を拡大し、より多くの成分の安全性を評価できるようにすることでした。
共同研究の成果
2024年11月29日から12月1日に宇都宮で行われた大会では、5社による共同研究の成果が発表され、大会長特別賞が授与されました。特に、J-TECが開発したヒト3次元培養表皮モデルを用いた実験において、これまでの16成分から新たに追加された18成分を含む24成分の刺激性データが得られました。この情報は、化粧品や医薬部外品の評価における信頼性を高めるものであり、業界にとって大きな進展となります。
研究を支えた関係者たち
本研究には、株式会社コーセーや日本化粧品工業会などの協力もありました。これにより、試験方法と評価基準の改善について多くの意見を集め、より実効性のあるデータが得られました。研究者たちは、動物実験代替法に関しての知見を結集し、今後の化粧品業界への貢献に向けたアプローチを進めています。
今後の展望
今後、化粧品業界の安全性向上を目指し、さらなるデータ収集と試験条件の開発に取り組む予定です。また、得られたデータはデータベースとして整備し公開することを計画しています。動物実験の依存を減らし、より安全で環境に優しい化粧品の評価基準を確立するため、積極的な活動が期待されます。
ロート製薬の貢献
ロート製薬は、動物実験代替法の他にも、コンピュータシミュレーションやin vitro評価法などさまざまな方法を用いて、化粧品の安全性を評価しています。お客様に安心して使用していただける製品を提供するため、今後も動物実験代替法の研究に力を入れていく方針です。
この共同研究によって、化粧品の安全性が一層高まり、業界全体の信頼性が向上することを期待しています。