発達障害の子どもたちのための新たな性教育の手法
2024年9月12日、合同出版株式会社から『発達障害の子の性のルール: からだ・こころ・かんけいを育てる17のワーク』が発売されます。この書籍は、自閉スペクトラム症の対象者である子どもやその家族、支援者に向けた実践的な性教育のテキストです。監修には、岐阜大学の川上ちひろ先生と、青森県立大学の田中尚樹先生が名を連ねています。
本書は、単なる知識の提供ではなく、1つのワークとして子どもが自ら体験しながら学べる内容が特徴です。具体的には、自分自身の理解から始まり、身体と心の変化について学んでいきます。さらに、友人との健全な関係を築く技術や、インターネットでのコミュニケーション方法についても具体的に触れています。
内容の特徴と目的
本書は、発達障害の子どもたちが日常生活で直面するさまざまな課題をテーマにしています。具体的なワークを通じて以下のような点を学びます:
- - 自己認識: 「自分」を知ることの重要性について。
- - 身体の大切さ: 衛生管理や身だしなみの重要性、身体の調子を整えるための習慣。
- - 健康的な生活: バランスの良い食事や適切な生活リズムの重要性。
- - 大人への移行: 男女それぞれの視点から大人の身体とこころの変化を理解する。
本書はさらに、性教育としては一般的な知識だけでなく、発達障害者特有の支援が必要な点に焦点を当てています。たとえば、二次性徴による身体の変化や月経に関しては、社会的スキルとして捉え直し、子どもたちが自分で対応する方法を具体的に学べるようになっています。
本書の構成
書籍は、全17のワークから成り立っています。各ワークは、発達障害の特性に配慮した内容で構成されており、誰でも取り組めるように工夫されています。以下にいくつかのトピックを紹介します:
1. 「みんな違っていい」を知ろう
2. 身だしなみと衛生
3. 身体の調子と健康的な食事
4. 大人の身体の理解
5. フレンドシップと適切な行動
6. インターネットでのコミュニケーション
総じて、この書籍は発達障害のある子どもたちが、成長に伴う身体や心の変化を理解し、友人との良好な関係を築くためのスキルを身につけるためのものであると言えます。そして、それを実現するための具体的な「ワーク」を提供している点が大きな魅力です。
監修者プロフィール
本書は、辻井正次教授や川上ちひろ、田中尚樹の各専門家によって監修されており、彼らは発達障害のある人々の支援に関わる多数の実績を持ち、教育や福祉の現場で重要な役割を果たしています。いずれも、発達障害を持つ子どもたちのために尽力を惜しまない教育者として高く評価されています。
この書籍は、発達障害の子どもたちが自身を理解し、成長するための素晴らしい手助けになることでしょう。そうした取り組みは、今後の社会にとっても非常に意義あるものです。