AI翻訳の未来がここに!八楽がウィーンで発表した新技術とは?
八楽株式会社(Yaraku, Inc.)は、画期的なAI翻訳ツール「ヤラクゼン」を提供する企業であり、その活用事例が11月19日と20日の2日間にわたり、オーストリアのウィーンで開催された国際AI翻訳カンファレンス「LANGUAGE INTELLIGENCE 2024」で発表されました。このイベントには世界中から専門家や企業代表者が集まり、AIを活用した最新の翻訳技術について議論が交わされました。
新時代の翻訳プロジェクト
八楽の海外戦略部長である工藤博樹氏が登壇し、エンターテイメント分野における翻訳プロジェクトの事例を紹介しました。このプロジェクトは、ワールドツアーを実施中のアーティストが発信するブログや映像コンテンツを、最新の大規模言語モデル(LLM)を用いて、3時間以内に7言語に翻訳するというものでした。
翻訳の際には、アーティストの独自の文体や文脈を尊重するとともに、文化の違いを考慮し、各国のファンが求める情報となるよう細心の注意が払われました。特に、固有名詞の翻訳ルールを厳守することが必要不可欠です。
課題解決のプロセス
プロジェクトでは、過去に翻訳者が使用したフレーズをChatGPT-4oに学習させ、その後、翻訳者によるポストエディットを行うことで、精度の高い翻訳を実現しました。例えば、当初「ワールドツアー」に対する略称「ワルツ」は、曲調を意味する「Waltz」と誤認識されていましたが、ポストエディットにより、正しい意味にすぐに修正されました。この流れで、翻訳者が修正を行った結果、翻訳の誤修正率が従来の30〜70%から10%と大幅に低下しました。
エンターテイメント業界における翻訳ニーズ
今回のプロジェクトは、LLMを使用した多言語翻訳によって、世界中のファンに対してライブの熱気をいち早くシェアすることを可能にし、アーティストとの共感を生むきっかけとなりました。エンターテイメント業界では、アーティストのユニークな個性を多言語で的確に伝えることが求められ、このためにLLMの活用が非常に重要だとされます。
しかし同時に、大量のテキストを迅速に翻訳する技術にはまだ課題が残っています。それでも、八楽は今後技術が発展することで、この課題が解決されると信じています。
八楽株式会社の紹介
八楽株式会社は「グローバルコミュニケーションを楽しく。」を企業ミッションに掲げ、翻訳インフラの構築に取り組んでいます。彼らのAI翻訳プラットフォーム「ヤラクゼン」は、翻訳の過程をシンプルにまとめ、多様な文化と考え方を尊重しつつ、国境を越えたコミュニケーションの実現を目指しています。
会社概要
社名: 八楽株式会社
設立: 2009年8月
代表取締役: 坂西優
URL:
八楽株式会社
所在地: 東京都渋谷区千駄ヶ谷5丁目27-5リンクスクエア新宿 16階
ヤラクゼンは、国内外の多くの企業に導入されており、製品マニュアルや契約書の翻訳に広く利用されています。そのシンプルで直感的なインターフェース、そしてAIによる高品質な翻訳結果の提供が、多くの支持を集めています。