2025年第2四半期アジア太平洋地域キャップレートレポート
2025年第2四半期に発表された「アジア太平洋地域キャップレートレポート」は、コリアーズ・インターナショナル・ジャパン株式会社によるもので、オフィス、リテール、インダストリアル市場の最新の動向を詳しく分析した内容です。このレポートは、各都市におけるキャップレートの動向や投資トレンドの変化を鮮明に浮き彫りにしています。
レポートの概要
レポートによると、アジア太平洋地域全体でリテール部門はオフィスやインダストリアル部門を上回る安定したパフォーマンスを発揮し、安定した投資環境が形成されています。また、金利の低下観測が投資家の心理を良好に保ち、安心感をもたらしています。これにより、多くの投資家が市場に参入しやすくなっています。
各地域の主な動向
- - オーストラリアでは、優良なオフィスとリテールの利回りが安定しており、インダストリアル投資も良好な水準を維持しています。
- - 北京では、テクノロジー企業からの需要に支えられ、キャップレートは低水準を保っています。
- - 香港では、ホテルやオフィスの学生向け住宅への転換が進んでおり、大型取引によって市場復活の兆しが見えています。
- - オークランドでは、金利低下によってオフィスおよびリテールの利回りは安定していますが、インダストリアル資産では利回り圧縮の動きが見られます。
- - シンガポールでは、供給不足と金利緩和を背景にトロフィー資産への投資が増加し、利回りの低下が予想されています。
- - ソウルでは、取引高が過去最高の水準に達し、延期されたトロフィー資産の取引が下期に再開予定です。
- - ムンバイでの空室率は3%低下し、賃料は前年比11.9%の上昇を見せ、新規モールの開業や金利引き下げが消費を支えています。
- - 上海では供給が急増し、コスト削減が競争を激化させていますが、2026年以降の供給減少が期待されています。
セクター別トレンド
- - オフィス市場では、ソウルが過去最高の取引高を記録し、他の都市もIT需要の高まりにより賃料が上昇しています。香港では大型取引が増え、市場は回復傾向にあります。
- - リテール市場では、北京が政府の支援を得て良好な結果を示し、オーストラリアやインドの新規モール開業が市場を活性化させています。
- - インダストリアル市場では、オークランドやブリスベンで低空室率が良好な利回りを実現していますが、香港は取引が減少し厳しい状況に直面しています。
このように、アジア太平洋地域のキャップレートレポートは、各都市の市場動向とともに、今後の投資環境を洞察するための貴重な情報源となっています。投資家や関係者にとっては、このレポートを通じて今後の動きを見通す手助けになることでしょう。
追加情報
2025年第2四半期「アジア太平洋地域キャップレートレポート」は、公式サイトよりダウンロード可能です。
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コリアーズについて
コリアーズは、ナスダックやトロント証券取引所に上場するグローバルなプロフェッショナルサービス会社で、商業不動産サービス、エンジニアリングコンサルティング、投資運用などを手掛けています。世界70カ国で事業を展開し、24,000人以上の専門家がクライアントに優れたサービスを提供しています。47億ドルの年間収益は、投資家に20%の年間収益率を提供し続けています。
コリアーズ・ジャパンについて
東京と大阪に拠点を置くコリアーズ・ジャパンは、不動産リースやキャピタルマーケット、プロジェクトマネジメントなどのサービスを提供しており、国内外の多様な顧客に支持されています。
この分析レポートを通じて、アジア太平洋地域の不動産市場の変遷と未来の動向をより深く理解する手助けとなることを願っています。