難病患者の診断ラグ
2025-12-15 09:02:34
JMDCとアレクシオンファーマが発表した難病患者の診断ラグ調査の重要性
JMDCとアレクシオンファーマによる難病患者の診断ラグ調査
株式会社JMDCとアレクシオンファーマ合同会社は、難病患者における「診断ラグ」の実態調査結果をこのほど発表しました。この調査は、患者が初期症状から確定診断に至るまでの期間を定量的に評価し、その結果から得られる患者や家族、さらには社会全体への負担を明らかにすることを目的としました。
調査の背景と目的
難病はその患者数が少なく、症状もさまざまであるため、診断が極めて難しい病いとされています。そのため、症状が出始めてから診断が確定するまでにかかる時間、いわゆる「診断ラグ」は大きな問題とされてきました。しかし、難病に関する詳細なデータが不足している現状では、その実態が見えてこないことが多いのも事実です。
本調査では、JMDCが今年の5月に発表した初期的な調査結果を基に、さらなる詳細を調査することを目指しました。患者が直面する「診断ラグ」が及ぼす影響を明確に把握することで、臨床現場の改善に役立てていく意図があります。
調査結果の概要
調査の結果、難病患者の診断ラグ期間は平均3.4年であり、その内35%は5年以上の診断ラグを抱えていることがわかりました。この傾向は2014年度以降、徐々に長期化していることも確認されました。
診断ラグ期間と医療費の関係
診断ラグ期間が長い患者ほど、医療費が高額になり、通院回数や罹患している疾患の数も多くなることが示されました。例えば、診断ラグが1年未満の患者と9年以上の患者とでは、医療費に551万円もの差が生じています。また、診断ラグが長い患者は、疾患の進行や合併症のリスクも高くなるため、専門医からの早期診断と治療が鍵であると指摘されています。
専門医療機関へのアクセス
さらに、診断ラグが長い患者ほど難病専門の医療機関へのアクセスが遅く、9年以上の診断ラグを持つ患者では、初期症状から専門医療機関を受診するまで約8.2年もかかっていることが明らかになりました。この結果から、非専門医と専門医の連携を強化する必要性が浮かび上がってきます。
未来に向けての展望
JMDCは、今回の調査で得られた知見を基に、難病の早期診断や早期治療の実現に貢献していく意向です。また、このような取り組みは、製薬企業だけでなく医療従事者、患者、アカデミア、行政など多様なステークホルダーと協力しながら進められるべきです。さらに、JMDCは持つ多様なデータを活用し、「データとICTの力で社会課題の解決に挑む」という目標に向かって尽力する考えです。
JMDCについて
株式会社JMDCは2002年に設立され、医療ビッグデータの分野で先駆者的役割を果たしてきました。独自のデータ分析技術を駆使し、膨大なレセプトデータや健診データを基に医療業界に必要な情報サービスを提供しています。健康社会の実現に向けた多面的な取り組みを展開し続けています。
会社情報
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株式会社JMDC
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