日立と楽天の技術
2025-01-17 15:22:00

日立と楽天が開発した新手法で最適化問題を効率化

日立と楽天が新たな最適化手法を実現



2023年、日立製作所と楽天グループの研究機関である楽天技術研究所は、CMOSアニーリング技術とグラフニューラルネットワーク(GNN)を融合させた新しい手法を開発しました。この技術は、大規模な組合せ最適化問題を効率的に解決することを目的としています。

新技術の背景と特徴



物流や金融といった分野において、大規模な組合せ最適化問題を扱うことは、サービスの質やコストの改善に直結しています。そこで日立と楽天は、それぞれの強みを活かし、新たな解決手法を生み出しました。

本手法は、日立のCMOSアニーリング技術と楽天のGNN技術を組み合わせており、特に10万変数を超える問題に対して、計算時間を最大20%短縮し、計算精度を35%向上させることができるとされています。これにより、配送計画の最適化や各種のビッグデータを扱う問題解決に寄与することが期待されています。

手法の仕組み



本技術の概要は、最初にメインのGNNを圧縮し、異なるサイズの複数のサブGNNを作成。そしてこれらのサブGNNの解をCMOSアニーリング技術を用いて求め、その結果を教師データとして機械学習させます。最後に得られた結果をメインGNNへフィードバックすることで、時間と精度の両面での向上が可能になります。

平行した研究と今後の展望



この新手法は、2023年12月15日にバンクーバーで開催された「ML with New Compute Paradigms (MLNCP) at NeurIPS 2024」にて発表され、業界関係者からも注目を集めました。特に、最大独立集合問題や最大カット問題といったソーシャルネットワーク分析に関連する課題への応用が期待されています。

日立は今後、この技術を材料開発やレコメンデーションシステム、電力需給の最適化など、様々な分野での活用を目指しています。さらに、大学やアカデミアとの技術連携も進め、研究開発を促進する方針です。

さいごに



日立と楽天の共同開発による新しい技術は、未来の大規模データ処理におけるゲームチェンジャーとなる可能性を秘めています。今後の進展に注目が集まります。


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会社情報

会社名
株式会社 日立製作所
住所
東京都千代田区丸の内一丁目6番6号
電話番号
03-3258-1111

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