シリコンバレーからの革新的な製品、日本上陸
近年、新型コロナウイルスの影響でPCR検査の需要が増加しています。しかし、特に寝たきりの高齢者や幼児など、唾液を採取することが難しい人々にとって、このプロセスは大きな課題となっています。そのため、新しいソリューションが求められています。そこで、シリコンバレーに拠点を構える企業「マウイDNAテクノロジーズ」が開発した、「iSWABマイクロバイオームEL」が日本に上陸しました。
RNA抽出作業の不要化
「iSWABマイクロバイオームEL」の最大の特長は、RNA抽出作業を省略できる点です。この製品は、検体採取後5分以内にSARS-CoV-2を不活化し、RNAを安定化させるため、直接ミックス液に添加してRT-PCRやRT-LAMP検査が可能です。これにより、試薬やプラスチック製品の使用を大幅に削減することができ、環境への配慮にもつながります。
加えて、分析にかかる作業時間も短縮され、医療従事者の負担軽減にも貢献します。
誰でも使用可能
次に、「iSWABマイクロバイオームEL」は、誰でも簡単に検体を採取できることも重要なポイントです。滅菌されたスワブを使用して、鼻腔や口腔から安全に検体を採取することができるため、唾液を出すことが難しい人々でも安心して使用できます。また、プール方式でも検体をまとめて採取できるため、検査の効率化が図れます。
長期間の保存が可能
さらに、この製品は常温での長期保存が可能です。採取後21日間は常温保存ができるため、冷蔵設備や保冷剤を必要としません。また、使用されている溶液は安全な成分で構成されており、輸送や保管も安心して行えます。
製品の詳細
- - 特許取得のコンパクトな容器(米国特許番号9,138,205)
- - 倒れても溶液がこぼれにくい設計
- - サイズ: 長さ4.9cm、キャップの幅1.2cm、底の幅9mm
- - 綿棒やスワブの先端直径は4mm以下推奨
- - バーコード、QRコード付き
- - 品質保持期間: 18ヶ月
- - 溶液量: 0.8ml
- - 販売代理店: 富士フイルム和光純薬株式会社
マウイDNAテクノロジーズの背景
「マウイDNAテクノロジーズ」は、2013年に設立された企業で、バイオサンプルの採取を可能にする革新的な製品を開発しています。彼らの主力製品である「iSWAB-DNA」は、試料の細菌DNA汚染を低レベルに抑えており、高品質のDNA試料を提供します。今後も、彼らはRNAやマイクロバイオーム、血液検体などの試料採取製品の開発を進め、様々なニーズに応えていく予定です。
この新しい試験採取ツールは、医療現場でのPCR検査の効率化を実現し、広く普及することが期待されます。