点群データの遠隔解析実証に成功
急速な老朽化が進む日本のインフラを支えるため、三菱電機とNTT東日本が手を組み、革新的な技術を用いた遠隔解析の実証を行いました。この取り組みでは、IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)によらず、特にオール・フォトニクス・ネットワーク(APN)を活用し、インフラ点検を効果的に行う方法を模索しています。
1. 背景
経済成長期に開発された施設が多く存在し、その老朽化は近年特に深刻な問題となっています。将来的には、50年以上経過する施設は増え続け、特に道路や橋梁においては、その割合が7割を超える見込みです。このため、インフラ維持の必要性が高まっています。三菱電機は、MMSD(モニタリングシステム)を通じて、安全で効率的な点検サービスを提供し、NTT東日本は電柱点検にMMSを采用しています。
しかし、点群データは非常に大容量かつ複雑なため、従来のPC環境では容易には解析できません。データの送信に通常のインターネット回線を用いることは難しく、物理的にデータを転送する必要があるため、タイムラグが発生します。この問題を解決するために、両社はAPNの特徴を生かして遠隔解析を実現すべく取り組みました。
2. 実証内容
実証は2024年10月7日から2025年1月17日にかけて実施され、NTTe-City Labo内の「IOWN Lab」とNTT東日本初台本社ビル間を、100GbpsのAPNで接続して行われました。高性能な解析マシンによって得られた結果は、ローカル環境と遜色ない速度で解析ができることが確認されました。これにより、点群データの取得から解析までのスピードが大幅に向上することが期待されます。
3. 今後の展望
この成功を受けて、両社はリアルタイムでの点群データの解析と閲覧を今後進めていく方針です。これにより、インフラの管理や点検の効率化が図られ、異常個所の早期検出や補修対応の迅速化が実現します。また、都市開発の分野でも、3Dモデルのリアルタイム更新が実現し、交通渋滞の緩和や建物の影響予測にも寄与するでしょう。
両社はさらなる技術革新にも挑み、IOWN構想の下でデジタルツインコンピューティング(DTC)の発展を図っています。これにより、3D空間情報の整備が進み、多様なデータ活用が期待されています。
お問い合わせ先
詳しい情報は、三菱電機株式会社やNTT東日本へ直接ご連絡ください。技術の進展は、未来のインフラ維持管理に革命をもたらすでしょう。