シングルマザーの可能性を広げる新しい取り組み "東北Woman Spiral Upプロジェクト"
このたび、一般社団法人グラミン日本と一般社団法人ノーコード推進協会が主催した「東北Woman Spiral Upプロジェクト(以下WSUプロジェクト)」の第1期活動報告会が、2025年3月19日に開催されました。このプロジェクトは、主に東北地方に在住するシングルマザーを対象とし、ノーコードスキルを身に付けることで働きやすい環境を提供し、収入及び就労の機会を拡大することを目的としています。
活動報告会では、第1期の受講者たちが自らの成果を発表し、今後の展開について共有しました。特に、地域におけるデジタル人材の育成やDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の重要性が再認識され、受講者たちの成果は地域社会に大きなインパクトをもたらしています。
ノーコードスキルで新たな活躍の場を提供
ノーコードツールは、特別なプログラミングの知識がなくてもシステムを構築できる便利なツールであり、最近では企業内の業務改善やデジタル化において注目されています。このツールは、フルタイム勤務が難しいシングルマザーにとって、柔軟な働き方の一端を担っています。
WSUプロジェクトでは、ノーコード推進協会が提供する学習プログラムに、グラミン日本の支援やノウハウが加わることで、受講者がスキルを段階的に習得できる工夫がなされています。特に、サイボウズ株式会社のkintoneを活用した具体的な学習内容が提供され、受講者は実務に役立つノーコードスキルを身に付けています。
WSUプロジェクト第1期の活動内容
プロジェクトの期間は2024年7月から12月にかけて実施され、以下のような活動が行われました:
1.
段階的なノーコードスキルの習得
受講者はkintoneを利用して業務アプリの開発演習やデータ分析を実施し、「業務改善提案ができる」レベルのスキルを習得しました。
2.
受講者のモチベーション向上
kintoneを活用した日々のコミュニケーションやチーム学習の制度を導入することで、受講者間で励まし合い、ノーコードツールへの抵抗感を減少させました。
3.
OJTによる実務体験
受講者は業務シーンを想定した実践的なOJTに参加し、小規模案件の受注など、小さな成功体験を通じて自信を深めました。
地域のDX推進とシングルマザーの経済的自立
このプロジェクトでは、シングルマザーの支援を通じて地域のデジタル人材の能力を引き出すことが目指されています。具体的には、以下のような地域にとっての利点があります:
ノーコード人材が各種業務プロセスの迅速なデジタル化を促進。
地元人材が課題解決に対応することで、企業のデジタル変革が進む。
シングルマザーにとって、育児や家事と両立可能な仕事スタイルが確立される。
今後の展望
今後、WSUプロジェクトは第2期参加者の募集を開始し、さらに多様なITスキルや実務スキルの支援を強化する予定です。また、地域の自治体や企業との連携を深め、以下の施策を進めていく計画です。
1.
ノーコード学習機会の創出
セミナーを開催し、地域の皆さまがノーコードの可能性を体験できる機会を増やしていきます。
2.
受講者と企業のマッチング
学んだスキルを活かせる案件を提供する仕組みを構築し、相互にメリットを享受できるようにします。
3.
地域活性のモデル構築
学習者同士が支え合えるコミュニティを整備し、地域自体が持続可能な形で発展していくための取組みを進めていきます。
この「東北Woman Spiral Upプロジェクト」は、シングルマザーの経済的自立を支援しつつ、地域社会のデジタル化も同時に進めていく取り組みとして注目されています。今後の展開にご期待ください。